懐が潤うと、稼ぐ力が鈍る。

お金

私が営業会社に勤めていた頃(20年前)、入社半年ほどで「月収100万円」をクリアした先輩営業マンがいました。

私より半年ほど先に入社したまだ新人でした。入社時から成績優秀。私が入社した時は、社内でスター新人として扱われていました。私も彼の成績表を見て「すごい人だなー」と思って、一目置いていたわけです。話す機会があれば、どうやっているか教えてもらったりしてました。

でも、月収100万をクリアした後、伸び悩んでました。数ヶ月後には成績は半減。そこから急落し、微妙な成績を1年ほど彷徨った後、辞めていきました。

私は聞きました。「なんで最初あんなのすごったのに最後全然駄目やったんですか?」と。
答えは、月収100万円をクリアして糸が切れたと。そこから意欲がわかなくなったと。

当時は「そういうものか」と思った程度でしたが、その後の人生で出会う人は、おおむねこれに該当する。ということは、自分も該当するはずです。

では、なぜ彼は月収100万で糸が切れたかというと、人は懐が潤うと、稼ぐ力が鈍りがちだからです。

懐が潤うとは、飢餓感がなくなるということです。その金額がいくらかというと、人によって違います。

数字だと月収100万200万とか年収1000万とかキリの良い数字の人は多い印象ですが、金額とは関係なく「周りからチヤホヤされるようになった」「欲しいものが買えるようになった」「会社に居場所ができた」といった抽象的な基準の人もいます。基準は本当に人それぞれです。

基準は別に意識的に考えた数字ではありません。無意識にあるものなのでしょう。で、基準に到達したら、これまであった飢餓感が満たされるんです。

満腹中枢が刺激されると、空腹を満たそうとやってきたこれまでの行動パターンと変わってきます。要するに、満腹で満たされて、動く気力がない状態です。

飢餓感がなくなることが悪いことかのように書きましたが、別に「それが良い」という人はいいと思います。実際、そうした方が良い人もいると思います。

でも、私自身はまだそうなりたくないです。まだまだ自分は未完成だと思っているので、進化させていきたいです。では、どうすれば満腹感で満たされてしまわないようにするか。

満腹にならないための対策

満腹感を満たしてくるのは、いつも外部環境だと私は思っています。

金、モノ、人間関係。
家、車、時計といったモノもあるし、周りから称賛されたり、売上や収入を周りと比較することで生まれる。

生活レベルをあえて上げる

私自身はおすすめしませんが、生活レベルをあえて上げることで自分に発破をかける人もいます。例えば、家賃を意図的に上げて、「ヤバい、頑張らないと!」という状態を作る。自分を追い込むことでモチベーションを保ってるという人もいますね。

原始的なやり方なので、若い頃ならありだと思います。若い頃は単純なので、効き目はあると思いますね。私も昔は車を買ったり、ちょっと良いマンションを借りたりして、「頑張らないと!」という状態を作ってた気がします。

でも、30歳過ぎてもこのやり方はできるんですかね。年を重ねると、考え方も色々複雑になっていきますので、生活レベルを上げたとて頑張れるかというと、そうでもない人もいる気がします。恐らく、若者限定で効果的なやり方と思います。

周りからの称賛を受け流す

事業が成長してくると、周りが褒めてくれるようになります。私は人付き合いが狭いので、褒められる機会が他の社長よりだいぶ少ないですが、それでも税理士は褒めてくれたりします。

褒められた時、どう反応するきかと言うと、「いや〜、こんなの全然です・・・」がベストです。心からそう思っている状態で受け流す。これが大事です。

なぜ心からそう思えるかと言うと、本当に全然なので。この確信を抱いていることが大事です。

自分より下を見て、「俺ちょっとすごいかも」と思っていると、周りからの称賛に簡単に浸け込まれます。自分の中の悪魔が「やっぱり?俺ってすごいよね!そうなんだよ、俺ってすごいんだよ。」という状態になる。

こうなると、満腹になります。先はないです。

私はそういう状態の社長をたくさん見てきました。

正しい金銭感覚を身につける

月収100万円、年収2000万円、年商1億円。

素人はこういう数字を見ると、「すごい」となるかもしれません。でも、現実的にはすごくありません。

サラリーマンで年収2000万なら、すごいかもしれません。でも、「経営者で年収2000万円」は全く凄くありません。

年収2000万、かつ会社の純利益が年10億ならすごいですが、100万しかないなら、凄いどころかむしろヤバい。経営者はサラリーマンと違い、収入が安定しません。いつこの収入がなくなるかわからないからです。

でも、調子に乗っている時は、自分が落ちていくことなど想像もできません。あらゆる幸福はなくなってから初めて気づくものです。私の知り合いでも、一時的に高収入を得て、2〜10年ほどで経営の場から去っていく人を山ほど見てきました。

30年以上高水準を安定して継続している経営者を私は1人も見たことがありません(もちろん、世の中にはたくさんいるが、私の周りにはいないだけの話です)。

そのため、決して良くない成績で満腹にならないことが大事です。

仕事そのものにハマってる人が一番強い

これまで見てきた人で、稼ぐ力が衰えない人は、仕事そのものにハマってる状態の人です。こういう人はいくら稼ごうが資産を築こうが、稼ぐ力が落ちない。行動のモチベーションでお金が占める割合が極端に低い状態だからです。

ただ、こういう状態になるのって難しいんですけどね。やりたいことをやってる、という浅い感じじゃなくて、自分に与えられた運命を生きてるという感じだからです。

稼ぐ力は、行動が減ることで少しずつ鈍る

到達点にたどり着くまでは、真剣。でも、到達点に辿り着くと、切実さが薄れていく。そうなると、これまでのような行動力がなくなる。

そこから少しずつインプットとアウトプットが減り、いざ追い込まれて「やろう!」と思ってももう遅い。どうやったらいいかわからない・・・という状態に陥るからです。

だから、極力そういう状態に陥らないことが大事なんですが、人は満足する生き物ですからね。動物なのでしょうがない。一旦下降して、落ちたところでもう一度這い上がるのも悪くはないです。

大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。 WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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