人は機械になり、機械は人になる。

  1. 世の中
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「人は機械に近づき、機械は人に近づく」方向に向かっています。

人間は合理化、コスパ思考、ハウツー思考、そして均一化し、感性が乏しくなっていく。
機械(AI)は、思考することを覚え、創造的になり、感情を理解しようとする。

今はその過渡期です。

AIがどれくらいのスピードで進化するかによりますが、いずれこの先、人間がAIの作ったルールに従うだけの存在になる日も来るかもしれません。現段階でもかなり進んでいると思いますけどね。タイムマシンで20年前の人が現代に来たら、人間性の違いに驚くでしょう。

人間のマニュアル化

人が進む方向 機械が進む方向
ルール 従うもの 考えるもの
応用 対応しなくなる 対応しようとする
思考力 乏しくなる 豊かになる
創造性 乏しくなる 豊かになる
感覚 鈍くなる 豊かになる

ただ、いかに人がロボットに近づきたくてもロボットにはなりきれません。人間には感情があるからです。ロボットっぽい人でも感情はある。喜んだり傷ついたりする。行動は感情に左右されるので、いかにロボット的に生きようとしても無理が生じます。本当の自分との乖離が起きます。

本音との乖離が大きくなれば、自分自身で本音がわからなくなる。ということは、自身で解決することが困難になるので、自覚がないまま魂は悲鳴をあげるし、助けを求めるようになる。

ただ、助けや救いがないと悟ってしまった場合、自分を傷つけるか他者を攻撃することになる。近年世界中の先進国で頻発しているジョーカー的な個人テロはより身近なものになっていくでしょう。

人間の暴発を抑えるために、ルールで厳しく制限するという安直な解決策に社会が動けば、単に別の見えないところ(家庭内など)で小さな暴発を増やすだけでしょう。

機械もそうです。機械は合理化の産物なので、いかに感情を会得しようとも無理でしょう。応用もある程度は利くようになるかもしれませんが、計算の範囲内でしか無理なのではないでしょうか。人間のようにクリエイティブなものを創造する力はたぶんないです。それっぽいものはつくれると思うので、それで誤魔化されるんでしょうが。

Aiの社会進出は人間が駒になる形で進む

Aiは全知全能にはなりえないと思います。だから、Aiを社会の広範囲で導入するなら、人間がその規格に合わせていかないといけません。

例えば、自動運転を導入するなら「人間は車道に出ることは違法、車道に入って事故が起きたら自己責任です」みたいな。コンビニ、スーパーでは「アカウントと決済可能残高がない人は入店できない」みたいになるのかもしれません。もしかしたら、チップかフェイスシールドかわからないけど、個人ナンバーやアカウントと紐付けされたものがないと買い物すらできないという未来がくるかもしれません。

Aiの社会進出のために、専用のルールがあらゆるところで施行されるようになります。人はより細かい制限を受け入れることで利便性を獲得する。

この流れは良い悪いもないし、誰であっても止めることはできません。だから受け入れるしかないんですが、問題は個人個人の付き合い方でしょうね。

人間側の取捨選択

自分をマニュアル化していくことで起こる「本音との乖離」をどうするか。一部は能動的に受け入れ、一部は残すといった取捨選択を自覚的に行っていく必要があると思います。盲目的に社会の流れに沿っているだけだと、どんどん人間性を失っていくからです。

人とコミュニケーションがうまくとれない人が増えているのは、周囲の環境ももちろんありますが、根本を探ると周囲も含めてその問題に不自覚だからです。

社会のよき構成員として振る舞おうとする人ほど、人間性を失い、マニュアル人間化している。当然、その自覚はありません。言われても、応用を考えてみたり物事を逆さに見たりできないので、気づくことができません。

ただ、自覚的でさえあれば、意図的に人間性を残すといった取捨選択が可能になります。たぶんこのままいくと、機械の方がずっと融通利くよね、という時代になると思います。いや、もうきているか。

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中田俊行

大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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