ハウスメーカーの建てた家はオモチャの家

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「家」に関する記事でおもしろいものがあったのでシェア。

・#3 ダサい家の特徴 – 笠井啓介建築研究所
https://www.kk-al.com/2020-08-09-h3/

昔からハウスメーカーや工務店が建てた家が私も好きじゃないんですよね。日本全国に溢れている、あのプラモデルのような家です。パンチしたら崩れそうな家です(耐震性は案外強いようですが)。

何より10年20年経って味が出てこない建築物は嫌いです。デニムも長く使っていると味が出てきますが、ファストファッションのストレッチパンツは1シーズンしか着れない。あれと同じでハウスメーカーが作る家の賞味期限はせいぜい5年。築20年で見る影もなくなるようなら、100年などもってのほかなのです。

ヨーロッパ建築にしろ、日本古来からある建築物にしろ、クラシックなものは年数が経つほどに味が出てきます。なぜ古来の建築物は良いかというと、「デザイン設計」「素材」「職人の技術」の三位一体で創られているからです。

だからこれは建売だけの問題ではなく、注文住宅も全く同じなんですね。結局、注文住宅も建売をバンバン建ててるハウスメーカーや工務店が建てるんですから、表層レベルでしか変わらないんです。

現代の戸建建築事情は実質的にほぼハウスメーカーと中小工務店の独占と言うか、そこで建てるのスタンダードです。

でも、本当はもっと良い家を建てられるんですね。知識さえあれば。にも関わらず、そういった情報がほぼ皆無、というか無い。ハウスメーカーの建築物自体に疑問を投げかける記事もネット上にはない。だから、家を建てようとする人の大半はハウスメーカーに頼むしか選択肢がないと思いこんでいるし、ニュータウンや新興住宅街ではパンチしたら崩れそうな家しかない。

だから、あえてここではハウスメーカー批判の立場に立ってみたいと思ってます。

不動産・建築業界は昭和中期から時が止まっている業界です。戸建てに限らず、マンションも賞味期限切れが早いのは、高度経済成長期に合理性のみを重視した、ベルトコンベアのようなシステムで動いているからです。

戦後の焼け野原から急激な復興・人口爆発という背景がある時代なら、建物がたくさん必要だから合理性を重視することも許されたかもしれません。しかし、今は少子化に空き家問題が深刻化している時代。1つ1つの建物を大事にした方がいいんじゃないか、という話なのです。

なお、ここで意味する賞味期限切れとは耐震性の問題ではありません。住む人訪れる人の居心地・建物を景観として見た時に人がどう感じるかという感覚的な部分です。先程も言ったように現代の多くの建築物の賞味期限はせいぜい5年、「飽き」という問題も入れれば半年と言っても良いかもしれません。

新築だと住んだ当初は新鮮で嬉しいものですが、住めば住むほど愛着が湧いてくるものは少ないです。大半は半年で飽きてくる。そういうものなんです。これはファストファッションも同じですね。だから、ハウスメーカーやゼネコンは基本的にファスト建築物しか建てられないんです。なぜ建てられないかというと、経済合理性(自社の利益)しか考えてないからですね。

施主のために設計士が脳みそに汗を垂らして設計や素材を考え、職人がこれまで磨いてきた高度な技術で実現する。そんな仕組みになってないんです。そもそも「現場監督」という立場の人も「いないも同然」だったりする。現場を10個、下手すると繁忙期だと30ほど同時に掛け持ちしてますから。そんな調子でディレクションできるわけはない。良いモノを作って喜んでもらおうという気は施工側には最初からないのです。

というわけなので、住めば住むほどに味が出る家を建てたほうがいいなという話なんですが、私は業界の人間ではないので何もできないんですけどね。苦笑

少なくとも私が家を建てたりリノベーションする場合は、既製品はなるべく使わない(トイレとキッチンくらいに留めておくなど)。壁や天井にクロスは使わない。床もフローリングを使わない。極力自然の素材で作ってもらう。時が経つほど味の出る家。それを作れる業者に依頼します。

「そんな業者いない」って?まだまだたくさんありますよ。知られていないだけです。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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