私が社会人になった頃には「SOHO」という言葉がありましたし、当時からクリエイターたちがそうした働き方をしてきたわけです。SOHOはノマドという言葉に置き換わり、今ではクリエイターだけでなくホワイトカラー全般でリモートワークが取り入れられている。私の会社でも創業期からリモートワーク・フレックスタイムのミックスでやっています。
冒頭で新しい働き方ではないと言いましたが、リモートワークの次に来るものは何でしょうか。
まず、コロナ騒ぎが落ち着くと、一定の割合でリモートワークを取りやめる企業が出てくると思うんですね。なぜなら、ほとんどの企業ではリモートワークのメリットが発動しないからです。なぜ発動しないのか。それは報酬が仕事ベースではなく、時間ベースだからです。
報酬が時間ベースであれば、作業は時間をかけてやった方が良いというインセンティブが働きます。そうすると1人1人の生産性は上がってきません。ゆえに全体の生産性がオフィスワークよりも下がるため、リモートワークをやめるか、リストラを推進するかの2択を経営陣は迫られます。おそらく大半の企業が前者を選ぶでしょう。
リモートワークを機能させる条件として、報酬を作品ベースで判断する必要があります。人の時間を買うのではなく、その人が生み出す作品を買うのです。
フリーランスの働き方をイメージすると分かりやすいでしょう。例えばフリーライターなら記事ごとの単価で報酬が決まりますよね。1つの記事を書くのに3時間かかろうと3日かかろうと報酬は同じです。報酬はかけた時間量ではなく、仕事の質・作品で決まるという考え方に転換する必要があります。リモートワークで事業を成立させるための最低条件と言えるでしょう。
そうなると、企業の経営陣・ブレーン側の人たちは仕事の質・作品を価格で判断できる目が必要になってきます。この作品は適正な価格かという判断ですね。それが出来ると、価格以上の作品を買ってしまうことを防げますメリットはそれだけではありません。発注側も生産性の低い無駄な作業(社内資料作成やお茶くみなど)をスタッフに依頼してしまうことを防げます。無駄な作業が多い企業は経営陣が価格で判断できる目がないからですね。
さらにメリットはあります。そうすることで下記のメリットも生まれます。
・成果を出した分だけ収入に反映する
・稼ぎ頭のスタッフがそうではないスタッフを養う必要がなくなる
そして現実的な問題として、価格に見合った作品を生み出しているホワイトカラーは少ないと言えます。外部企業やクラウドソーシングで外注したり、システムで自動化するコストと比べれば、人員コストの方が高くついているケースの方が多いからです。
よってリモートワークの次に来るものは、クリエイティブ精神ですね。単なる企業のコマではなく、より良いモノを生み出そうとする情熱にあふれる働き方をする人が増えると。純粋に良いクリエイターが増えるといいですね。
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