クリエイターがオタクに負けてはいけない理由

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どこの世界・業界にも「オタク」は存在します。

「オタク」の知識体系は網羅性、時間という深み、思考という奥行きがある。多くの本業人は趣味オタクにまったく敵わないわけですよ。もちろん、本業でやっていると言っても、サラリーマンがオタクに敵わないと言うならわかる。それはしょうがない。

ただし、クリエイターとしての道を行くなら、オタクごときと言ってはなんですが、彼らが手を出せない、むしろ感嘆させてしまうほどの能力が必要だったりします。オタクが本来求めているものは、そういう人たちが作り出したものであったり、ストーリーです。

将棋オタクとプロ棋士が対局したら、プロ棋士が十中八九、勝つ。なんだったら100%勝つ。だからプロフェッショナルと言えるのであって、そういう対局だから見たいのです。アマ棋士でも相当強い人はいるので「100%」というのは将棋に限ってはないでしょうが、それでも羽生さんが負けるところは想像できないですよね。

僕にも長く付き合っているデザイナーがいますが、彼がデザインオタクとたいして変わらない腕前ではお願いする気がしないです。お願いしたとしても安い報酬しか出す気になれません。その場合、僕の中では勝手にデザイナー枠から外させてもらって、一業務(単純時間労働)としてお願いする形になりますね。

ところで、なぜ本業で仕事としてやっている人たちが、趣味オタクに負けてしまうのかという話です。仕事でやっているんだから、負けるはずはないと、普通に考えて思いますよね。でも、大半は負けてしまっている。

一般的な仕事は、上司や先輩から教わった知識とほんの少しの実務経験だけで表面上は成り立っているように勘違いできる構造になっているからだと思います。

本当は成立してないんだけど、毎月給料は発生してるし、なんとなく「俺できてるんじゃね?」くらいの勘違いはできるようになっている。でなければ、会社として人を雇って給料払って、という構造が崩壊してしまいますから。

たとえば不動産の営業マンは、不動産のことを知らないです。もちろんズブの素人よりは知っているんですが、身銭切って不動産投資をやっている人と比べると、浅さしかありません。本当に不動産が好きなオタクは業界にはほとんどいません。

もちろん不動産に限らない。あらゆる業界で言えることです。ただ、マシな業界はあります。好きじゃなけれりゃ続けられない(or 入ってこれない)業界もある。棋士の世界やクラシックの交響楽団が典型でしょうか。

「カッコいい(楽して)」「金払いがいい」「将来性がある」「安定している」「誰でもできる」。
こうした「条件」がトレードマークになっていたり、マスに開かれている業界には非オタクの大量流入はつきもの(業界の発展には悪いことばかりではない)。

ウェブ業界においてもそうで、「あのサービスを見た時、震えがとまんなかったんですよ、僕もそういうの作りたくて」というような目をキラキラ輝かせた変わり者は2%に満たない。昔はそういう人がたまに入ってきてましたけどね。今は、私服で今風の仕事をやってる風の空気感になんとなく憧れて入ってきた普通の起業家やサラリーマンが占めてます。

非オタクの知識は体系的ではないし、網羅性や深みがない。興味がないから掘って突き詰めていかない。一連の業務さえ覚えてしまえば、後の探求はない。一方、オタクにはゴールがありません。情熱や探究心の続く限り。敵わないですよね。

なので、多くの業界では、本業の人が趣味オタクに敵わない状況になってたりする。それでも世の中回ってるので、問題ないと言えば問題ないのだろうけど、クリエイターとしてやっていくなら考えものだと思いますね。

つまりは、オタク気質な人は才能があるということでもありますね。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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