ベーシックインカム実現後の社会を予測

持続可能かどうかは置いといて、ベーシックインカムを実現するとどうなるかをシミュレーションしてみたいと思います。貰える金額は1人月7万くらいを想定して書いてます。

ベーシックインカム実現で起こること

働く気がなくなる

多くの人は、働くことが好きだから、生き甲斐を感じるから働いているわけではありません。お金が必要だから働いている、ただそれだけです。生活の固定費を減らして、まったく働かない層と少しだけ働く層が増えると予測します。

起業は増えない

ベーシックインカムで貰えるお金がセーフティネットとなって起業する人が増えると一般的には言われています。でも、起業する人はさほど増えないと思われます。増えたとしても、クラウドソーシングやSNS界隈などの底辺の起業が増えるだけでしょう。

機械化が進む

働く人が少なくなるため、企業は機械化を進めざるを得なくなります。最初は初期投資も増えるので倒産する企業も出てくると思いますが、それを乗り越えれば生産性も上がり、利益も以前より残るようになります。

働きたくても働けなくなる

働く気があったとしても、一旦機械化が進んでしまえば働く場所はなくなります。例えば、タクシーも自動で動くようになるし、コンビニ・スーパーのレジ打ちだけでなく棚卸し・発注も自動で行われるようになる。オフィスワークも大半が自動化されるでしょう。

その状況でも働ける人は、機械より生産性が高い人か、機械にできないことをできる人だけです。クリエイティブな仕事、人を楽しませたり喜ばせたりする仕事、芸術などは残るでしょう。

格差は拡大する

一口にベーシックインカムと言っても色んな思想があります。ただ、一般的にはベーシックインカムはお金は貰えるけども、後は自己責任という思想で設計されています。

ゆえに、社会保障が切り落とされることとセットになるため、格差は急速に拡大します。

性欲がなくなる

働くことは人間には必要なことです。働くの語源は「端を楽にする」から来ています。つまり、人のために働きかけることで、自分は人の役に立つ人間であると認識できる。それで喜びや充実感を得られる。それはさらに自分を高めたいというプラスのエネルギーに変わります。失敗と成功を通じて自分を成長させてくれるんですね。

働くことは人間らしさや生命力を与えてくれます。働けない、働いても人から感謝されないという生活がずっと続くことを想像してください。生命力のないゾンビのような人は、人間の根源の欲求である性欲も当然衰退していきます。

男女の関係性が変わる

性欲もないし、夢もない、生き様に年輪のようなものを感じない。こんな堕落した男性にそもそも女性は魅力を感じません。仮にマッチングしたとしても、即物的な欲求（性欲や自己承認欲求など）でくっつくだけです。生きる力がない者同士でくっついても、二人の中に明るいものが育まれることもないでしょう。

現時点でもすでにそれは進行中なので、さらに根深くなっていくイメージですね。

さらに少子化になる

生命力・性欲がない人たちが増えるので、少子化はさらに進みます。人口は自然に減っていくでしょう。

ただし、実現可能性は微妙

財源はMMT論的に日本銀行がお金を刷りまくることでベーシックインカムは実現できると主張する人もいますが、仮にそれが持続可能だったとしても現段階では実現性は微妙だと思います。

なぜなら、働く人が減る分の生産性を補うだけのテクノロジーが必要だからです。物流、販売、医療など様々な分野で自動化できるようにならないと、社会が回らなくなります。今どこまでAiが進歩しているのか不明ですが、マイナンバーすらシステム化できない現段階ではかなり厳しいのではないかと思います。

ただ、社会がベーシックインカム実現の方向に向かっているのは確かなので、準備はしておいた方がいいでしょう。地に足をつけて、目の前のことをしっかりやるだけなんですけどね。