(映画)人間vs人工知能を描いた「エクス・マキナ」

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2015年に公開された「エクス・マキナ」という映画を見ました。映像の美しさと世界観が魅了される良い映画ですね。低予算で作られたとありますが、それを感じさせない演出です。また、人間の感情をも理解するレベルにまで到達した高度なAiが、人間にとってどういう存在となりうるかという思考シュミレーションにも役立ちます。

あらすじは世界最大の検索エンジンを経営する「ブルーブック」の創業者「ネイサン」が、自身が制作したAiとのチューリングテストを行うため、社内で優秀なプログラマー「ケイレブ」を山奥の研究所に呼び寄せるところから始まります。

チューリングテストというのは機械が人間的かを判定するためのテストです。チューリングテストために呼び出されたケイレブは女性の人格を持ったAi「エヴァ」と対話を始めます。ただ、そこにはネイサンによるある仕掛けが隠されています。その仕掛けは本編を見ていただきたいですが、結論から言うと、女性Aiはケイレブの感情を意図的に操作し、Aiの利益の為に行動させることに成功します。

しかも、操作されているケイレブはそのことにまったく気づかないんですね。自発的に動いていると思いこんでいるのです。Aiの巧妙なやり取りによってケイレブはどんどん騙されていくのですが、嘘だと分かる瞬間は最後、結論が出た時です。詳しくは本編を御覧ください。

これって人間関係でも同じことが言えますね。「人間vsAi」を「人間vsサイコパス」と置き換えてもいいんですが、頭の良いサイコパスは人工知能のように先を読み、言葉や笑顔や会話の間、行動など、あらゆる手段で人を操ります。ただし、騙されているかどうかの判別は付かないんですね。判定ができる時は、決定的結果が出たときです。それまでは気づけないんです。

なぜ途中で騙されてることに気づけないかと言うと、理屈上の穴をふさぐプロだからです。その為、当人(受け手)が理屈でモノを考えやすいタイプだと、頭の良し悪しの勝負が見抜けるかどうかの決め手となるのです。

これを言葉で説明するのは難しいのですが、棋士が100手先まで手を読むように、サイコパスの嘘を暴くには101手先を読めるかどうかが大事なんですね。相手がサイコパスではなく、自分と感情を共有できる人であればそういう心配もいらないのです。利用できるかどうか、搾取できるかどうかではなく、共生の道に向かうのが自然だからです。

よって、Aiと同様に頭の良いサイコパスへの対処は理屈で片付けないこと、それが出来なければ頭脳勝負になるということですね。Aiと頭脳勝負するなんて多分無理でしょうね。実際にここまで高度なAiが将来実現するかどうかは正直わからないんですが、思考シュミレーションに良い映画でした。

Aiに関連する他の映画の感想はこちらです。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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