「働き方2.0」っていうけど、好きなことで本当に稼げる時代なの?

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15年程前、個人がインターネットで収入を得る方法は限られていました。一例を挙げると、当時人気だったブログサービスを使ってアフィリエイトをしたり小説を書いたりする人が多かった。ちょっと優秀な人は、自分でプログラムを組んでウェブサービスを作ったりもしていた。だから、その時代に活躍できる人は文章が得意な人やプログラミングが得意な人など、範囲が今よりもずっと狭かったのです。でも、今は見る影もないくらいに随分と勢力図が変わりました。

InstagramやYoutubeからはインフルエンサーと呼ばれる人たちが登場し、Kindleでは誰でも出版が出来るようになり、クラウドファンディングで事業資金を集めたり、クラウドソーシングや配車・配送アプリなどを使っていつでも好きな時に手軽に仕事を請け負えるようになりました。15年前には限られていた「個人で完結する仕事」の幅が劇的に広がったのです。

この時代の流れの立役者はスモールビジネスを支える巨大なプラットフォームです。GoogleやFacebookなんかや、国内でも色んな分野でプラットフォームがあります。これらのおかげで、中間に複数の企業や人が介在しなければビジネスにならなかったものの多くが、個人で完結できるようになったのです。それが巷で言われている「働き方2.0」のからくりです。

「働き方2.0」で仕事が好きになれるか問題

「働き方2.0」とは一体何なのか。巷の言葉を借りれば、「好きなことが仕事になる」ということです。今までは収入を得るにはやりたくないことでも引き受ける必要があったが、これからはそんなことをしなくてもいい。好きなことをしているだけでお金になるという思想です。例えば、山でキャンプをしている動画を垂れ流しているだけでYoutubeから広告収入が入ったり、スポンサーから広告塔を依頼されたりするようになる。そういう手軽で自由な働き方が今後のスタンダードになると言われているのです。

では、現実にはどうなっているのかというのがこの記事の主題です。私の考えは、単にお金が貰える相手が変わっただけ、です。今まではサラリーマンとして会社から給料が支給されていたのが、プラットフォームや企業から直接報酬がもらえるようになった。それだけなのです。

もちろんお金の流れが変わることで副次的に変わったところもあります。企業から広告収入が直接入る立場ともなれば、それなりに影響力があるインフルエンサーです。ゆえに発言力や交渉力があるので、やりたくない条件での仕事は断ることができる。これは楽しく働くためには大事な条件であり、「働き方2.0」を提唱する人たちは、やりたくないことを断れる立場にあることが多いのです。

好きなことをやりたいだけなら、好きなことができる会社に勤めればいいだけです。デザインが好きならデザイン会社に就職すれば、思う存分デザインが出来るはずです。でも、それでも嫌だという人が多いのはなぜでしょうか。自由度が低いからです。

2.0の世界が大事にしているものの正体

自由度の高さを享受できる人の割合は働き方1.0と変わりません。単に享受できる人が変わっただけです。インフルエンサーにおいても、自由にやれるのは一部の人に限られるのです。ほとんどのインフルエンサーは企業の指示に従わないと仕事をもらえません。クライアントの指示で作りたくもないホームページを作らされるフリーランスのWebデザイナーと同じです。彼らは好きなWebデザインに毎日携わっているのに、不満を抱えていたりする。なぜかというと何度も言いますが、自由度が低いからです。

一部の成功者を除き、大半の人たちは2.0になろうとしても結局は1.0に出戻るか、2.0という空想世界を彷徨い続けるかの2択です。1.0の世界と同じく、実力や運、行動力がモノを言うわけです。

2.0の世界では下記の条件が「好きなことをする」以上に重要なのです。

  • 手軽さ
  • 自由
  • お金

ただ、こう言うと「確かに今はそうかもしれないが、いずれ働き方改革で一億総活躍社会が来る」という人がいます。今はそうかもしれないが、将来は自分たちも・・・と思っている。残念ながら、それはないでしょう。

今後、グローバル化によって国や地域による収入格差は縮小していきますが、同じ国や地域内では格差が広がっていきます。ということは、発言力や影響力を持てる人もさらに一部に限定されていき、格差が広がっていくということです。よって、上記の3つの条件を満たせる人も限られてくる。これは「働き方2.0」を提唱する人たちの中でも賢い人は分かっているわけです。だから、オンラインサロンにハマる信者たちが大量に食いっぱぐれても反発が起きないようベーシックインカムを彼らは推奨するのです。教祖の中でも賢い人はすべてのシナリオを織り込み済みなのです。

そもそも「好きなこと」って何?

「好きなことでお金を稼ごう」とよく言いますけど、「好きなことって何?」と私は思います。自分が本当に好きなことは頭で考える前に勝手にやっているもの、自覚なくやっていることなので、「これが私は好き!」と言葉にしている時点で好きかどうか怪しいのです。

私が考える好きな仕事とはこうです。

つまり、自分が好きなことは一体何なのかと頭を巡らせて出てきた答えは、本当に好きかどうか怪しいのです。行動している中で無自覚的に芽生え、そして長く続いているもの。これが結果的に好きな仕事だった可能性が高いわけで、やる前からこれが好きと決定できるものではないのです。人間とは不思議なものでそうなっているのです。

2.0時代で重要なのはコンテンツを生み出す力

プラットフォームの台頭が働き方を変えていることは最初に述べました。こうした時代背景から見える、楽しい働き方とは何なのかという話です。私が思っている楽しい働き方とは、プラットフォームをつくるか、コンテンツホルダーになるかです。ただ、どちらもハードルは低くはない。特に前者は激しい競争と時代の禊を乗り越えていかないといけない。想像しただけでも大変です。

ですから、コンテンツホルダーに絞って言いますと、これはただコンテンツを制作する会社で調整役、サラリーマンとして立ち回ることを意味しません。自分がコンテンツを開発するメンバーの一人になるということです。また、個人でコンテンツを作ってアップすることも今の時代、誰でもできることです。ただ、中長期的にそれなりの収入を得るには必要なことがあります。

1つ目が何かのスペシャリストになることです。そして、自分が持っている武器を他の分野で秀でたスペシャリストと組んでモノづくりをする。もちろん一人でつくってもいいんですが、出来ることの内容も規模も小さな範囲に収まりがちです。それに自分の苦手分野にも手を出すと、本来の潜在能力が発揮できないことがある。逆に、それぞれの分野で能力が突出したスペシャリストが組むと、足し算が掛け算になる。革命的なコンテンツを生み出すことになるのです。もちろん、「TCD」がそれです。

そして、2つ目がコンテンツホルダーとしてプラットフォームの支配の外で活躍することです。これは重要です。プラットフォームへの依存度を少しでも下げることは、自由なコンテンツ作りをする環境として不可欠です。自由度だけでなく、資金面でも生殺与奪の面でもすべてを押さえられてしまいます。

今の時代、Googleなどの巨大企業を無視してビジネスを行うことなどほぼ不可能です。でも、コンテンツに力をつけることが、プラットフォームの影響力を落とす唯一の手段です。

例えば、ディズニー。コンテンツ王のディズニーはネットフリックスなどの大手ストリーミングサービスにとっても軽くは扱えない存在です。再生ランキングの上位は常にディズニーが占めてますからね。しかも、最近では「Disney+」というストリーミングサービスを発表しています。これによって、映像ストリーミングサービス市場は泥沼の戦争に入るかと思いますが、コンテンツ王であるがゆえに後発であっても巨大プラットフォームとも対等に戦えるのです。

だから、「働き方2.0」時代で勝ち抜くために必要とされるのは「好きなことを探す」ことではなく、突き抜けたスペシャリストを目指すことです。何度も言いますけど、のほほんと「好きを仕事に〜♪」なんて言ってると、変なオンラインサロンにお金や労働力を搾取されたり、プラットフォームの奴隷になるだけですから。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。2007年に独立、会社を2社経営。
WordPressテーマTCD・フォトストックサービス「マルシェ」シリーズなどを運営。

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