本音で話す人に社会は優しい

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言葉には本音と建前があります。本音だけで成り立つ社会があったら楽なんですが、残念ながらみんなが本音を言いだしたらあちこちで殴り合いなんかが起きたりして社会が成立しなくなるわけです。建前は無用な揉め事を減らす効用があるわけです。

でも、現代ではどうも建前だけで生きている人が多いように思います。いたるところでリスクをなくそうと建前が使われている。人と人が顔を合わすと、互いに思ってもないことを言い合っているわけです。「俺はこう思う。おまえは?」というシンプルな会話はなく、お互いに相手の考えていることに合わせて喋っている。周りの人の考えがいつも頭の中にあり、自分の考えはお留守になっているわけです。

そうなると恐ろしいことが起こります。何かと言うと、本人もだんだん自分の本音が何かわからなくなってしまうのです。自分探しの旅に出たりする若者が多いのも建前社会が生み出したものですね。「お金なんて大切じゃない」と言う人が増えているのも建前が原因です。

建前というのは「こう言っておけば、いい人と思われる」という計算から来ています。相手に気に入られる為、あるいは嫌われないようにする為に建前が使われている。でも、建前だけでは人と人が本当に溶け合うことはないし、条件で成立している関係なので条件が合わなくなれば互いにとってマイナスな関係になる。さらには、建前を使っている本人は知らず知らずにストレスを抱えてしまいます。普段は愛とかなんとか言ってる人が、弱い立場の人には汚い言葉で罵ってたりなんてことはよくあるわけですが、そういう歪みは本人が知らず知らずに抱えているストレスが原因だったりします。

じゃあ本音で喋ればいいじゃないか、となるわけですが、そうはいかない状況のようですね。なぜなら、建前で話す人は本音を話すことが恐いからです。自分の本音が相手に受け入れられるかが不安で仕方がない。自信がないがゆえに、です。

でも、本音って実はすごく受け入れられやすいんですよ。本音で言う人がまず少ないでしょう。周辺の人間関係でもテレビでもインターネットでも建前でしか物事が語られていない。だから、そこに違和感を覚えながらも言葉にできない人がたくさんいるわけです。そこに堂々と本音で話す人が現れると、自分の思っていたことを代弁してくれたような気持ちになる人がたくさんいるのです。タレントでも本音で話すことで人気が出た人はいますが、それは虚像に飽きている人が多いことの現れでもあるのです。

もちろん、本音で生きていると敵も作りやすい。好き嫌いがはっきりするわけです。けれども、建前でわかりにくくするよりも、良い部分も悪い部分も含めて「俺はこういう人間だ」とさらけ出すことで相手もジャッジしやすくなるわけですね。世間的にはだらしないとか恥ずかしいと思われそうな一面もさらけ出してしまえるところは強い。相手はそれらを知った上で受け入れるかどうかを決められるわけなので、実にわだかまりの少ない関係になるのです。

あとは、「日本って生きづらいよね」と言う人を時々見かけますが、それっておまえが建前でしか生きてこなかっただけだろう?と思いますね。日本に限らずですが、本音は万国共通で受け入れられやすいと私は感じています。自分たちが生まれ育った社会にそういう土壌があるということは、本当に有り難いことなんですよね。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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