企業が市場の行き詰まりを感じた時、客層を横に拡大することはよくある。化粧品業界も過去に何度も男性用化粧品を流行らせようとマーケティングを仕掛けてきました。国内ではマンダム。近年になってようやく実りつつあります。
競争を避けて、よりニッチな層に軸足を移すこともよくあります。競合が強すぎる場合には特に有効な手段です。イエローハットが王者のオートバックスとの競争を避けて、小規模・店舗数で戦っていますが、これもうまく行ってる事例です。
このように企業は様々な理由で、これまでの既存顧客から新しい顧客層への転換をやってきたわけです。
ですが、既存顧客を捨てることはリスクでもあります。新たな層の開拓に失敗すれば、痛い目を見る。一度振った相手と元の鞘に戻ることは難しいからです。
顧客層の転換を図ったワークマン
中小企業の場合、目先の利益を取りに行って苦境に立たされるケースがよく見られます。
- 押し寄せるインスタ映え女子を優先して喫煙→禁煙にした喫茶店
- インバウンドの勢いに乗り、価格やメニューを改定した飲食店
- 補助金終了で赤字経営に陥った太陽光パネル設置事業者
1はブーム終了、2は円高、3は補助がなくなれば終了します。このように目先の利益のために一過性のブームに軸足を移すことは大きなリスクです。売上が数倍に成長したとしても、危険な賭けであることには変わりありません。元の鞘には戻れないのですから。
京都の中心地や大阪の黒門は結構心配ですよね。観光客が去った後、地元のお客さんが戻ることはないでしょう。そうするとまた一から出直さなければいけなくなる。
外から見る分にはわりと危険な賭けに出ているなと思いますが、目の前に札束を置かれたら経営者として抗うのも難しい話。自分がその立場にならないと分からないこともあるでしょう。しかし、次の手を打っておかないと大変なことにはなりますね。
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