ディレクターという仕事の役割とは?

  1. 商品力
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ディレクターは、複数人でプロジェクトを動かす際に欠かせない重要な役割の1つです。クリエイターや職人たちのまとめ役であるディレクターによって、品質とコストが担保されていると言っても過言ではありません。

ディレクションの役割

ディレクターの役割は、大きく分けると次の2つに集約されます。

  1. 納期管理
  2. 品質管理

複数人のスタッフや職人たちの作業内容やペースをとりまとめ、最終的な品質と納期を管理するのがディレクターの役目です。

ただ、企業・職種・規模によっても役割は変わってきます。カレンダーチェックだけを任されるケースもあれば、プロ野球の監督のように人事権まで差配できるほどの裁量権や責任を伴う場合もあります。影響する範囲が広いほど、ディレクター当人にも高い能力が問われます。

また、ディレクター自身が部分的に作業を担うケースもあります。それは企業風土や職種にもよるし、ディレクター自身が持っている能力にもよるでしょう。本来、ディレクターは技術者上がりが多いため、自身でも作業を実行できる人が多いです。そのため、調整役として部分的に作業に投じることもあります。

作業の対応範囲が広いディレクターほど重宝される傾向があります。品質や納期管理もできて、なおかつプレイヤーとしても技能者と同レベルで参画できるディレクターは組織にとっては貴重な存在となりえます。

優秀なディレクターの条件

ディレクターに求められる能力はこの3つです。

  • 全体を見渡す力
  • 専門技術への理解
  • 人を動かす力

理想のイメージは、野村克也監督でしょうか。
野球への理解が恐ろしくあり、人間と真正面から向き合い苦労した人でもあった。それは数々の著書からも読み取れます。

一般的にディレクターは技術者上がりの人が多いです。第一線で通用しなくなったとか、リーダーシップを買われて就任するケースが多いと思われます。そのため、就任時点で専門技術への理解はある程度クリアしているケースがほとんどでしょう。

ただ、野球がうまいからと言って選手がついてくるわけでもないのと一緒で、人を動かすことも必要。人のパターンは無限。褒めたり怒ったり突き放したり。人の無限パターンに対応できる幅広い人間力が問われる。そして、これはどこまで行ってもゴールや正解は用意されていません。永遠にトライアンドエラーです。これは同時に経営者やマネージャーにも言えることでしょう。人間的な成長も可能というわけですね。

これもディレクションという仕事の大変さであり、醍醐味かもしれません。

納期管理編

ディレクターの職務としてもっとも重要なのが納期管理です。これができなければお話になりません。いてもいなくても同じ、ということになります。

なので、納期は最優先にして管理する必要があります。後述しますが、納期管理と並行して遂行しなければならないのが品質管理。この両輪を欠かすことなくプロジェクトをディレクションしていくのが腕の見せ所でしょう。

納期遵守のためには様々なチェック項目と手段を心得ておく必要があります。

適切な完成納期の設定

まず最初に行うべきは完成納期の設定です。

過度に短い納期であれば、モチベーションが下がる可能性がある。逆に過度に長ければ、多くの場合緩みます。そのため、適度に緊張感が続く納期決めをしておく必要があって、この最初の納期設定の時点でプロジェクトの成果は半分は決まると言っても過言ではありません。

中間納期の設定

一流の技術者・職人だけで構成されているチームであれば、中間納期を設定する必要などありません。ですが、一般的なチームはそうではないため、やはり中間納期を設定は不可欠です。

優秀でない技術者ほど、中間納期は細かく、かつ前倒しの期限を設定しておく必要があります。なぜ前倒しにしておく必要があるかと言うと、その期限が守られないことを想定しておく必要があるためです。

人の管理をする

技術者が予定通りに仕上げてくれれば何も問題はありません。ですが、そういうわけにはいきません。様々な不測の事態が考えられます。

間違いや雑な仕事が多くて修正日を必ず要する人、そもそも期限から遅れがちな人など、技術者・職人による特徴を予測して、期限にヒビが入らないようにするのもディレクターの役割です。

優秀な技術者ばかりで構成されているチームのディレクションほど楽なものはありません。ですが、そうでないチームほどディレクションの存在感を大きくしていく必要があります。

適度な緊張感を常に与える

各技術者に適度な緊張感を与えるのも納期厳守を務めるのに必要なことです。「期日を守らなくても何も言われない」「というか、ディレクター自身が期日忘れてる」では、ナメられても仕方ありません。

期日間近で焦って動き出すというチームはそもそも日頃の緊張感が不足しているという証明でもあります。

納期の見直し・適正な再設定

どうしても納期に間に合わないケースもあります。複数の人で1つのプロジェクトをやる以上、何かのピースが欠けてしまうことは避けられないからです。

資材が入ってこない、職人が入院した、蓋を開けてみたら想定以上の量だった、など不測の事態はつきもの。予期できなかったことが起こった時、素直に納期の再設定、もしくは仕様変更の調整を行う必要があります。

納期を伸ばすか、仕様を簡素化して期日を守るか。この2つです。いずれの場合もクライアントや関係者と調整する必要があります。間に合わないなら、早く言ってしまったほうがいい。気づいた瞬間に調整に入りましょう。そうすれば、クライアントも納得するばかりか、あなたにより強い信頼を寄せる可能性さえあります。

ただ間違っても無言で期日を過ぎるといったことはないようにしょう。なんとなく言いづらくて、期日を過ぎても知らんぷり。そういうディレクターは残念ながら、まぁ少なくないです。気持ちはわからないでもないですよ。でも、どうせバレます。指摘されないだけです。そして、そういう人はどんなに能力があっても信用を失う。事前に言えば納得させられるのにもったいないですね。

品質管理編

厳しい品質基準をもつ

ディレクター自身が厳しい品質基準を自分の中に持つ。そうすれば、自ずと全体のレベルも上がってきます。なぜなら、ゴマカシが効かない人と周りに認識されるからです。

もちろん、非現実的な厳しすぎる基準はダメですが、ある程度厳しい基準でチェックされる、細かいところまで見られている、という心理を相手に植え付けておく必要があります。でなければ、チェックや修正項目が増えて、ディレクターの仕事量が増えるだけです。

技術者の意見を引き出す

技術者、職人、クリエイターの意見を引き出して、それを商品開発に利用できるディレクターは優秀です。ものづくりは、作りながら感じること・気付くことというのが多いです。「仕様はこうなっているけど、ああした方がいいな」と、作りながら気付くこともある。現場で作業している本人にしかわからない情報ってあるんですよ

そして、それが商品力を飛躍的に上げる鍵となる場合が結構多い。

なので、そういう情報をディレクター側は受け入れるという宣言と、シェアしてもらいやすい関係性を築いておく必要があります。

関係性を作る手段は状況と人によって変わります。ただ宣言すればシェアしてくれる人もいるし、食事やお茶をして初めて成立する関係もある。そもそも関係性を作れない人もいる。様々です。このあたりはあなたのキャラによってやり方も変わってくるでしょう。

「機能vsデザイン」の調整役になる

多くの商品は、機能vsデザインという対立軸を生みがちです。企画部と生産工場で意見が対立する、みたいな話はよく耳にします。この場合、どちらにも言い分があり、どちらの意見も貴重だったりします。そして、対立の要因は両者の不理解から生まれます。

デザイナーがプログラムへの理解がなかったり、プログラマーがデザインへの理解がなかったり、ということから起こるのです。

商品の品質を上げていくには、どちらの意見に偏るでもなく、公平に判断する必要があります。この時、社内の権力バランスで決めてしまうサラリーマンディレクターになってはいけません。そこは商品コンセプトという原点に立ち返ってよく考えていただきたいです。どちらか大事な方を立てる、もしくは両輪を立てるなど方法は状況によって様々。その調整役を買うことが品質を上げる上では重要です。

修正指示は具体的にしない

技術者自体に学んでほしいと考える場合は、修正指示するときは、修正すべき箇所と汎用的な手段を教えるのみに留める方がいいでしょう。なぜなら、すべての修正点に対し、詳細かつ具体的に修正指示を入れた場合、次のプロジェクトでも同じ間違いを犯す可能性が高いからです。もちろん、相手によっては具体的な指示を入れても、次で踏襲してくれる場合もあります。そういう技術者は優秀です。

ただ、何度も繰り返される修正の場合は、相手が理解できる程度に指示内容を留め、方法は自分で考えさせる方が良い。「考えるコスト」を相手に預けて、間違えないようにした方が得だというインセンティブを与えるのです。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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