多くの人が知らない保険の本質

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現代では多くの人が当然のように加入する保険。生命保険や医療保険、学資保険、車両保険など生活のいたる所に浸透しているわけです。また、法人においても節税型保険は利益の出ている企業の大半が加入する保険の1つです。ただ、私は保険は生きていくためにはほとんど必要のないものだと思っています。

保険は元々「成功確率が低いことを行う時のリスクはシェアする」という発想から生まれました。お金はギャンブルという形で集められたので、ギャンブルが保険の起源なのです。

船主が積み荷や船を担保に資本家からお金を借り入れ、もし航海がうまく行けば利息を付けて資本家に借金を返済し、船が沈んだり荷物が失われることになれば返済を行わなくてもいいというものでした。一方で、中国では船同士が積み荷を交換することでリスクヘッジし、片方の船が沈んでも、もう片方の船の積み荷を陸に届ける、という方法が取られていたとのこと。これらの方法は当時まだ成功する確率が低かった航海のリスクを減らすものでしたが、物理的な「交換」という方法は手間がかかるものでした。それゆえに時間の経過と共に、より構造化され、洗練された金融契約が生まれていきます。

出展:悪とされる「ギャンブル」と正しい「保険」の紙一重の関係

保険の起源を辿ると、大きなリスクを伴う行動をする時にダメージを軽減するために利用されていたことが分かります。つまり、ハイリスクハイリターンの行動をとれるようにするために保険という仕組みが必要だったのです。

現代の保険事業の本質は不安をお金に換えるビジネス

一方、現代の保険のイメージはどういうものでしょうか。保険はとりあえず加入するものという認識の人が多いのではないでしょうか。むしろ、入ってない人は将来を真面目に考えてない、みたいに考える人もいます。それは思考停止というものです。でも、ただ思考停止しているだけではありません。そこにあるのは将来への不安や恐れです。

未来では何が起こるかわかりません。これはすべての人に言えることです。もしかしたら明日死んでいるかもしれない。これは運命とも言えるし、抗うことができない流れなのです。そうしたことを受け入れながら生きているのか、受け入れられないかで変わってきます。受け入れられる人は、将来のことは考えず、今その一瞬を生きている。

一方で、受け入れられない人は起こってもないことに恐れる。不安を感じながら生きているのです。将来が不安だから守りに入るために保険で堅めようとする。だから、保険が好きな人は将来をよく考えているのではなく、ただ将来を恐れているだけなのです。不安をどこかに忍ばせながら生きているので、非常に後ろ向きであり、それゆえに今の一瞬を生きることができない。その後ろ向きな行動の連続が将来に恐れていた不安を呼び込み、実際に現実に起ってしまう。

大きなリスクへの対処としては保険は便利なシステムです。でも、将来の不安をかき消すためのシステムではないのです。将来起こってもない不安を考えるよりも、未来に何が起ころうとそれを受け入れる覚悟で今を生きる方が私は建設的だと思います。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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