共感されることと最初から共感を求めることの違い

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人との繋がりにしても商品やサービスを提供することにしても「共感されること」は大切です。でも、結果的に共感されることと、最初から共感を求めていくことには大きな隔たりがあります。

結果的に共感された、というのは最初から共感を求めているわけではありません。例えばこのサイトなら、私の考えることを書いてるわけですが、共感されれば良し、共感されないも良しとしています。

TCDはクリエイターたちの脳内にあるものを形にしたものです。こちらも初めから共感を求めにいっているというよりも、TCDをいつも使ってくれている人たちをもっと驚かせたい、最高なモノを作りたいという意識がある。なぜかというとそれが楽しいからです。純粋に「こうしたい」「こうしたらいいんじゃないか」というものを作品にするわけです。結果として共感されれば嬉しい、という話です。

一方で、最初から共感を求める行為は、結果的に共感されたこととは正反対に近いものがあります。共感を求めることは、相手に合わせる行為です。だから、商品の軸も自分の中にないもの、つまり、相手の中にあるもので中身を固めてしまうことになる。自分たちが良いと思ってないモノをつくることにもなりかねない。

例えばブログの記事なら、相手がこう言って欲しいというのを探ってその通りのことを書くと。そうすると、軸がブレてくるのでツギハギのような文章になる。何より媚びたスタイルになるでしょう。日本の大手電機メーカーなんかはその典型なんじゃないかと思います。

では、どちらが商業的に成立するかというと、短期間ならはっきりとは言えないと思います。求められるものを出して売れることも普通によくあるからです。でも、人や社会に求められるものばかり出していても、誰よりも早く猿真似するスキルは身につくかもしれませんが、本質的に磨きがかかるわけではない。私たちが生み出せるものは、モノを生み出す個やチームにどう磨きがかかるかで変わってくるからです。

また、先に共感を求めるスタイルはインスタントに物事が運ぶメリットはありますが、新しいもの、斬新なものは生まれにくいと思います。社会の声そのものに斬新なものはないですからね。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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