アクやクセ感のある文章はありか

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ネット上のウェブマガジンやキュレーションサイトの記事を見ていると、クセやアクのない記事が目立ちます。主義主張がないので印象には残らないけど、嫌われることもない。ハウツーや情報を提供する役割は達成しているので、それはそれで成立しているわけです。

こうした記事が氾濫している要因は、メディアの運営側が「クセ感」を欲していないからです。アクやクセがあれば、炎上したり嫌われたりする可能性も増えるし、ライター個人のクセがメディア全体のクセになり、レッテルへとつながる。大手メディアではそうした波風を避ける為に無味無臭の記事を多く集めるわけです。

一方で、技術系の解説記事やクッキングの解説記事など、クセが邪魔になる分野も実際にあります。そうした分野ではライター個人の主張以上に、読みやすさやわかり易さ、情報量や質が重宝される。情報そのものの質が読み手の印象に残ったり、ファンを作り出すきっかけになったりするのです。

こうした分野では視点を変えてみるとまた違った見え方ができます。例えば、図解や動画などを駆使して、わかり易さを突きつめた記事はむしろそれがクセ感になっていたりする。一見、無味無臭に見えてもライターの個性、熱がそこに現れるというわけです。多くのライターは無味無臭の記事しか書けないか、クセやアクが強すぎてオナニーになってたりすることの方が多いわけですけど、時と場によって、成果物の質感を変えられることはライターにとって必要な能力です。

なので私は、ライターや文章を書く者にとってクセやアクって大事だと思っているわけです。文章自体にクセがあるというより、人間自体にクセがあると言った方がいいですね。そして、そのクセが成立しているということが大事です。成立していれば人から求められるし、成立していなければ求められない。

ここで言う「成立する」とはどういうことかというと、簡単に見分けられるところで言うと、「結果を出しているか」です。身も蓋もないことを言ってるように聞こえるかもしれませんが、そこが正直なところです。結果を出しているクセ感は成立しているし、結果を出していないクセ感は成立していないというただそれだけの話なのです。

では、どういう成果物が結果を出しやすいのかというと、これはいろんな角度から見ることができます。単純なところで言うと、量も大事だし、センスも大事。一方で量は少ないけど結果を出している人もいる。一概には言えないところがあります。

私の場合で言うと、量ですね。最初は選別とか忖度とか関係なく、ひたすら量を出していた。それが結果を出すきっかけになったところはあると思います。量は重要ですね。でも、それがすべてではないと思います。結果として、私が運営するこのサイトや14万部のメールマガジンはクセがあっても許されるし、楽しみにしてくれている人もいるわけです。もちろん、その反動もセットです。

クセはあっていいし、むしろそこを磨いていくことに尽きます。最初は受け入れてもらえないかもしれないけど、いろんな試行錯誤を経て、磨き上げていく。ひたすらパソコンに向かって記事を書くだけでなく、色んな素敵なモノや人に触れることに対しても興味を持っていることが大事です。自己に向かい合うだけでなく、外にも目を向ける。ライティングだけに限りませんが、創作活動にはこのバランスが大事だと思ってます。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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