超富裕層が生まれる構造

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少し前こんな記事が話題になってました。記事によるとコロナウィルスによって格差が拡大したとのこと。何のこっちゃ分かりませんね。

(CNN) 過去のおよそ3カ月間で、米国の富裕層の資産が5650億ドル(約62兆円)増えていたことが分かった。同国の進歩的なシンクタンク、政策研究所が3月18日以降のデータから報告書をまとめ、今月4日に発表した。

報告書によると富裕層らの現在の資産総額は3兆5000億ドルで、感染拡大初期から19%増加した。アマゾンを率いるジェフ・ベゾス氏の資産だけでも、3月18日時点と比べて362億ドル増えたという。

・CNN.co.jp : 米富裕層の資産、コロナ禍の3カ月で62兆円増える
https://www.cnn.co.jp/business/35154855.html

具体的にどうやって資産を伸ばしたかは書かれていませんが、投資商品が底値を打った時に強烈な買いを仕掛けたのだろうと思います。暴落前から何らかのルートで事態を予見できていた可能性すらあります。いずれにせよキャッシュイズキングの賜物です。

ちなみに、我々のような事業経営者、社長は一般の人から見ると「お金持ち」と見られがちです。でも、実際には違います。彼らと比較するとひよっこどころか、精子が着床すらしていないレベルです。世間の社長が高級車を乗り回してても、現実はそうなんです。

いくら会社が右肩上がりの増収増益でも、僕らの資産はそういう増え方は絶対にしない。資産が増えていくイメージで言うと、10歩進んで7歩下がるという感じだからです。毎日コツコツ頑張っても、これが限界です。

なぜかというと、1つは税制上の仕組みにあります。日本はおろか世界でも金融資産に課税されることはありません。これが実に大きいのです。一方で、会社の利益や個人の所得には高い税率で課税されます。また、税制優遇の面でも大企業ほど有利になっていて、小さな会社ほど不利です。

もう1つ大きな理由は、事業が儲かる仕組みにあります。基本的に僕らは商品やサービスをつくって売っています。商品の開発・販売という過程を経なければ、お金は入ってこない。つまり、「時間」というロスが必ず存在するので、金融投資のように急激に価値が上がったり下がったりといったことがない。その点でも事業経営は地道な作業の上で成り立っていることがわかります。

だから、成層圏を完全に超えてしまった「超富裕層」にどんどんお金が集中するけれども、お金持ちに現在進行系で向かっている人たちは資産が簡単に増えないどころか、一瞬にして資産を失ってしまうリスクと隣り合わせという社会構造なのです。

こう言うと、「節約しまくれば溜まっていくじゃないか」と思うでしょう?無理ですし、これは実際に事業経営から収益を得た人でないと体感的には分からない感覚だと思います。

仮に役員報酬を年間2000万円に設定したとします。そこに所得税と住民税を差し引くと約1000万円が残ります。生活に600万円かかっていたとすると、400万弱が残る計算です。その生活を10年間続けると4000万円溜められます。って、これ少なすぎませんか・・。

「さらに節約しろ」「300万円で暮らせ」と言うかもしれませんが、600万円でも十分質素な生活だと私は考えます。

そもそもの話、節約家は高収入を手にしにくいという現実があります。お金を使わず、引きこもって10年間年収2000万円を維持するのってどれだけ現実的なのでしょう。自分に投資できない人は、瞬間的に稼げたとしても早晩息詰まることは確定しているのです。社会にお金を回す、つまり失敗も含めた投資をしているからこそお金が入ってくるのが世の理なので、高収入を得ている人は往々にして投資体質なのです。

とどのつまり、社長の資産が増える速度は緩やかにならざるを得ないのです。何億円もの別荘とかを所有する社長でもそれは同じです。超富裕層とは2つも3つも桁もやり方も違う話なのです。

じゃあ超富裕層の彼らはどうやって資産を増やしているのか。

基本的には会社の株や金融資産、不動産です。そして、超富裕層の中でもさらにトップクラスの層は、政情不安など激動の時代に生まれます。

例えば、陰謀論でよく話題になる「ロスチャイルド家」は19世紀初頭に資産を大きく伸ばしています。「大きく」というレベルではありません。瞬時に資産を2500倍にしたのです。どうやったか?ワーテルローの戦いというのがありまして、そこでイギリス国債の暴落が起こり(彼らが仕掛けたんですが・・)、戦争に勝ったイギリスは国債が高騰したわけです。国債の暴落→高騰によって、ロスチャイルド家はヨーロッパ全体の半分の資産を所有したと言われるほどまでに成長したのです。

日本でも戦後の焼け野原の時代に不動産買収に暗躍した財閥があったという話は聞きます。このように超富裕層の中でもトップクラスの人たちは、混沌とした時代に大衆が向かう方向とは正反対に「逆張り」したことで大金を手にしたのです。しかも、逆張りの度合いは1:9とかの生易しいレベルではありません。1:9999くらいの強烈な逆張りを仕掛けているのが特徴です。

でも、ただ逆張りしたから成功したわけではありません。逆張り成功の条件1つ目は、原資となるキャッシュを持ち合わせていること。2つ目は、世界の流れを見通せていること。3つ目は、賭けが現実となるよう働きかけられる「パワー」を持っていること。

当然のことながら、これらすべてを兼ね備えた個人や組織は世界中どこ探してもごく一部の層に限られますので、最初から一般人には到底無理な芸当です。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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