Lancersというサイトは当社でも発注者側として2012年から利用していますが、とにかく便利です。ライティング、翻訳、Web制作、動画制作、システム開発のようなWebと相性が良さそうな仕事だけでなく、コンサルやプロデュース依頼などまで多様な仕事が登録されています。ジグソーパズルを組み立てるなんて仕事もあったりしておもしろいですね。どんな仕事でも依頼・受注できるという感じですね。
私は写真撮影やWeb制作関連の小さい案件を頼んだりしていました。あとは、新会社を設立する際に社名を考えてもらったこともあります。その案件は確か1万円だったかと思いますが、コンペで結局300件くらい集まりましたね(ちなみに「デザインプラス」とは別会社です)。そんなの自分で考えろよと思われるかもしれませんが、当時は本当に時間がなかったので、社名すらも外注していたわけです。
発注側としては生産力を最大化できることと必要な時だけ単発で依頼できる点が大きな魅力となっているわけです。常駐スタッフを置いて内製化を進めずとも出来るわけですね。そのため大手企業もLancersのようなクラウドソーシングを積極的に活用しているのです。
Lancersを利用するデメリットでいうと、当たり外れが大きいことでしょうか。発注したはいいが、スキル不足でできないといったこともあるわけです。Web制作で言えば、自分にスキルはないがディレクター的な立ち回りをやっている人が受注したりもします。とにかくなんでも受注しちゃうというタイプの人が一定数いるわけです。結局受注したけど納品できない、あるいはクライアントの希望通りには仕上げられないという事態が起きたりといった機会損失が起きる。利用し続けていればこれは避けられないことだと思います。
利用した限り感じていることは、優秀なクリエイターを見つけるのは難しいということです。そのため、難易度低めな案件を中心に依頼するのが望ましいと思います。その中で高難度な案件をこなせるクリエイターが見つかれば御の字、継続して関係性を築こう、という感じでしょうか。
今度は逆に受注者側の視点から見てみましょうか。断りを入れておきますと、私は受注者側として仕事を請け負ったことはありません。ただ、受注者とたくさん関わってきたことで、ある程度の類推はできます。
まず、受注者としてはこういうクラウドソーシングはお手軽に稼げる手段ではありますよね。場所、時間を選ばずにすぐに始められる。本業がありながらでもスキマ時間に副業ができますし、スキルがあればこれだけで食っていくことは可能かと思います。
ただ、思うのは毎回発注者や案件がコロコロ変わると大変だろうなということですね。これはクラウドソーシングに限らず、フリーランスクリエイターが通る道でもありますね。
発注者が変わると何が大変かというと、まず相手が何を望んでいるかが変わりますよね。先方が最終的なクライアントではなく中間代理店だった場合は、最終的なクライアントの考え方や好みまで類推しなくてはいけません。もちろん、仕事の進め方や依頼内容、シビアさなども変わってくる。単発案件にも関わらずこれだけのことに配慮しながらクライアントの希望以上のものを出さなければいけないので、これはなかなか大変だろうということです。
そのため、単発案件ばかりではなく、発注者と継続して関係が続けることが経済的にも精神衛生上も望ましいわけですね。絶対にそうしろ、と言っているのではなくて、その方が楽しくできるよね、という話です。
継続して良い関係を続けるには、互いにwinwinである必要があります。クライアントが次も仕事を依頼してくれるようにするためには、納品したもので事業がうまく回るようにしてあげる必要がある。そうすれば重宝して依頼してくれるし、そこまで来ると非常にやりやすくなると思います。ただ、それにはスキル面はもちろん、人間性も重要だったりします。
人間性というとおおげさですが、要は相手を好きになるということですね。相手を好きになれば、相手が何を望んでいるのか、どういうものを提供してあげるべきかという視野に近づけられます。これってクラウドソーシングに限らず、仕事において大事なことですよね。Lancersではないですが私がWeb制作関連の仕事をフリーで受注していた頃は相手の期待以上のものを提供しようと考えていました。自分がつくったもので上手くいって欲しいという思ってましたから。それこそ散歩中も電車に乗っている時もアイデアなどを考えていました。
毎回仕事を与えてくれるのが普通じゃないのがフリーランスの世界です。ですが、その一山を超えると自分が自由にできる領域も広がるというものです。
追記:クラウドソーシングの関連記事です。
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