ただ、一定かつ特定の不安をなくすことはできても、人生で起こりうるすべての不安を解消することは現実にはできないと、現時点での私は考えています。この意見は人生経験を積む中で変わっていくかもしれません。
欲望があれば不安もあるのが自然。欲望は生きることそのもの。生きている限り欲望は消えません。
では、どうやって不安と付き合っていくのか。
不安とは
不安とは、まだ起きていないことに対する恐れです。
Wikipediaにはこう書いてありました。
不安(ふあん、英語: anxiety, uneasiness)は、心配に思ったり、恐怖を感じたりすること。または恐怖とも期待ともつかない、何か漠然として気味の悪い心的状態や、よくないことが起こるのではないかという感覚(予期不安)を指す。
不安と欲望は繋がりがあります。欲望があるから、不安も生まれます。「死にたくない」と思うからこそ恐怖が生まれる。欲望があれば不安があるのが自然です。
では、不安をなくすことはできないのか。
不安をなくす方法
結論、不安をなくそうとすると、なくなりません。
不安=まだ起きていないことへの恐れなのだから、不安をなくすには、
- 起きてもないことは考えない
- 起こったとしても受け入れる
- 目の前のことに力を注ぐ
この3つが自然と身についている人は、不安に襲われることはほとんどない。
起きてもないことは考えない
まだ起こってないことを人は考えがちです。これは人間の本能でもあります。
暗闇を歩けば、いつ獣に襲われるかわからない。未知のものに対する恐れは誰にでも存在する。だから、一概に不安が悪とは言えない。
しかし、不用意に起きてもないことを考える必要はないのです。たとえば、会社からリストラされる不安を抱えていると、却ってそれに似たような悪い結果を引き寄せてしまいます。健康やお金、人間関係についてもそう。
頭で考えても仕方のないことを、延々とシミュレーションしても意味がない。むしろ、不安を増大させるだけです。
起こったとしても受け入れる
不安を解決したいなら、不安を解決しようと思わない。受け入れることです。
たとえば、お金の不安があったとする。不安だからたくさん稼ぐ。たくさん稼いだら不安がなくなるか?なくならないです。不安によって行動すると、より肥大化する。
資産が100万円の人と10億円の人。どちらが不安が大きいか。10億円の人の方が不安が大きい傾向があるかもしれない。実際、私も資産10億円以上持つ人で不安を感じていて投資だの保険だのがんじがらめに資産形成している人を知っています。むしろ、そうやって資産形成に目が行くからこそ、不安を生んでいる。
100億、1000億持っていても恐らく同じでしょう。その状況にはその状況の問題がある。
「資産は不要」などと言いたいのではありません。不安をなくすための対策が不安が大きくするのです。
加齢もそう。アンチエイジングに気をつかうほど、加齢が受け入れられなくなる。失う恐怖に悩む。恐怖が現実化する。そういうサイクルがあります。
事実は事実として、そうなった時はしょうがない。受け入れる。受け入れてどうするかを考える。ある意味で開き直り、楽観的な姿勢です。
目の前のことに力を注ぐ
暇な人ほど、不安に苛まれている傾向があります。なぜなら、先のことまで考えてしまうから。
考える暇もないくらいに目の前のことに集中していれば、不安が視界に入ることはなくなる。
これら3つを実行することで、潜在的には不安があっても表層化することがない状態になる。不安を滅することはできずとも、日々楽しく健康的に過ごすことができる。
不安がゼロの人はいない
時々「不安がゼロ」と言う人がいます。私はそんな人はいないと考えています。人間である以上、そんな人はいない。
じゃあ彼らは嘘をついているのかというと、強がりで言っている場合もあるが、あえてそういうスタイルを貫き通すことを美学として捉えている人もいる。決して悪いことではないと思います。
なぜ、不安がゼロの人がいないかというと、それは悟りの境地だからです。不安がすべてなくなる状態=悟り、ならば、この世で修行する必要などありません。肉体を持つ限り(仏にならない限り)は訪れない境地だと、私は考えています。
不安を解決しようなんてある意味で馬鹿げているとも言える。俗な不安は解決しておきたいというのはありますが、基本的には次から次へと生まれる難問に忍耐強く付き合っていくしかありません。
不安もエネルギー
不安をなくすことに目を向けましたが、見方を変えれば不安はエネルギーです。
不安から努力をして結果を出した人はたくさんいます。不安は行動の源泉でもあるので、この状態が一概に悪いとも思わないです。
不安を感じた先に、進むべき道が指し示されているかもしれない。人の感情に無駄なものは何一つない。良い方向に利用してしまえばいいのです。
ただ、不安のエネルギーは負のエネルギーなので、行き過ぎれば引きずられる怖さはあります。
目の前のことに集中するのが一番健全でしょう。
- 起きてもないことは考えない
- 起こったとしても受け入れる
- 目の前のことに力を注ぐ
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