広告コピーで嘘、誇大表現、脚色が駄目な理由

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広告やセールスページ、ランディングページでは嘘とまではいかなくても、誇大表現や脚色と思われるコピーが目立ちます。私自身もコピーとはそういう風にテクニックを散りばめるものと思いこんでいた時期がありますが、まだまだでしたね。倫理的に良くないというのも勿論そうなんですが、それ以上にユーザーに響かないからです。

まず、誇大表現や脚色が駄目な理由の1つ目。それは読み手がこれは嘘だとか大げさとか認知してしまうとその後に続くコピーが頭に入ってこない点。2つ目は煽りに煽って成約に至ったとしても顧客との関係は短命に終わる点。LTVの観点からも逆マーケティングとなりがちです。

私が残念に思うのは、良い商品なのにコピーを見ると煽っているようにしか見えないことがあることです。ではなぜ良質な商品サービスの広告コピーまで誇大表現や脚色がされるのか。その一番の要因はコピーライターが商品の良さを理解していないからです。理解する力がないとも言えます。当たり前の正論なので見落としがちですが、ここは重要です。なぜなら、それが自然に出来るコピーライターは稀有な存在だからです。

多くのコピーライターや販売に携わる仕事をしている人は、テンプレになってしまってるんですね。格好がつく言葉を並べているだけだったり、開発陣や担当者から聞いた言葉に色をつけて書き上げただけ。ユーザーのこころは動かさないわけです。これが販売側と消費者側の思考の溝です。説明臭くなっていたり、ユーザーが直感的に全容が読めるコピーになってないことに気づかないわけです。

半年くらい前だったか最近のコピーで、おもしろい事例があります。キングダムという累計発行部数3600万部の人気漫画での新しいキャッチコピーです。

「今、一番売れてる、ビジネス書。」

キングダムはビジネス書ではないですよね。でも、ストーリー内でかっこいい将軍(上司)が色々出てくる。そのカッコよさにもバリエーションが用意されている。その為、ビジネスマンが読んでも参考になるとも言えるだろうと。そういうコピーとなっているわけです。キングダムという漫画の性質の全容を捉えなおし、自分の言葉で再構築したコピーです。すでに漫画を読む層には大方売り切ってしまった商品であるがゆえに生み出された、新規開拓を狙ったコピーです。

コピーライターの仕事は、事実をそのまま書くことでも派手な言葉で脚色することでもないんですね。それでは面白くなりにくいし、こころに響かない。あえてそのままの言葉で表現することも勿論あります。ただ、そのままの言葉であっても考え抜かれたものでなければなりません。これがコピーライティングの深さです。

私は、商品の魅力を引き出すのがコピーライターの仕事であり、そこが引き出せればコピーの仕事は8割達成したようなものと考えています。つまり、商品に感動するということです。私は書き手が商品に感動しているかいないかは文章を見ればすぐ分かりますが、これはユーザーも同じことです。

自分の感情が揺さぶられるような魅力に気づけば、あとは言葉にするだけです。その時、豊富な言葉のバリエーションを持っていれば、なおよしというわけです。

このことは大げさな表現ではありません。商品の魅力を引き出す段階が一番深いところであり、おもしろいところでもあります。商品のスペックを羅列したり、小洒落た言葉で飾るだけが商品の魅力を引き出すことではありません。良質な商品であればあるほどハイスペックな傾向が強いため、スペック群を並列で解説しようとすると説明臭くなってしまい、ユーザーのこころにはまったく響かない結果になります。コピーをたくさん書いてきた人であれば、わかりますよね。

別に商品のスペックや機能性を売り出すことが悪いと言っているのではありません。ただ、そこで出てきた言葉が、世の中の情勢であったり業界やユーザーが抱える問題点、人々の不安や悩みなどを捉えて、どういう位置付けで問題を解消できる商品なのかを示せるものである必要があります。そして、コピーライターが提案した解消方法が魅力的である必要がある

世の中のコピーライティングテクニックを教えるような書籍では、ニーズに合ったキーワードを散りばめて、緊急性や希少性を出して・・・といったテクニック的な話しか出てきません。勿論、そうした表面上のテクニックを知っておくのは悪いことではありません。ただ、そこ止まりではその辺にいるコピーライター止まりですし、良いコピーは書けません。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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