なぜ日本ではHTMLメルマガが流行らなかったのか

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海外では当然のように使われているHTMLメルマガ。HTMLメルマガは言葉を使わずとも製品の美しさを視覚的に伝えることができる点、そして、テキストメールにはない視覚的要素による導線づくりができる点が強みです。でも、残念ながら日本ではほとんど普及しませんでした。現在国内でHTMLメルマガを使っているのは大手ECやメディアが使っているくらいで、一般企業や個人で発行しているところはテキストメルマガなのです。

私自身も12年以上メルマガを続けてきた中でHTMLメルマガは1度も発行したことはありません。でも、検討したことはあります。何年前だったかな。たぶん2009年か2010年くらいだったと思いますが、これからはHTMLメルマガの時代なんて言われていた時期があったわけです。そこからインフォビジネスやネットビジネスをやっている人たちの界隈でHTMLメルマガが流行りだした。その頃、私もやろうかなと思って海外のHTMLメールテンプレートをいじったりしていたわけです。

でも、難しかったですね。理由はハードルの高さにあります。いくつかHTMLメールのテンプレート(雛形)を作ってしまえば、テキストメールと手間は変わらないんです。文章を入れ替えて発行するだけですから。でも、元となるテンプレートが海外のものしかなかったので、自分が描いた理想の形式を作ることが出来ませんでした。おそらく多くのメルマガ発行者が同じことを感じたはずです。

その後はずっとテキストメールでやってきたわけですが、あの頃はそれでもよかったと言えばよかった。メルマガを発行する主体が中田俊行個人だったから、言葉だけの勝負で大丈夫だったのです。でも、企業や一ECサイトとかになるとそうはいかないわけです。製品のビジュアルは言葉にはできないからです。むしろ、それを言葉だけで伝えようとすると陳腐な表現になってしまうのです。

ただ、先ほども言ったようにHTMLメルマガが国内で普及しなかった原因は海外に比べHTMLメールのテンプレートが国内にはないこと。そして、その状況は今も同じです。調べてみると一応あるにはあるんですが、存在しないに等しい。メールマーケティングにおいては日本は周回遅れどころではなく、何周分も遅れているわけです。とは言え、海外のテンプレートを遣うのは違うわけです。空気感が合ってないビジュアルを使えば読者に違和感を与える。それならテキストメールの方がまだマシです。

この状況は7,8年前のWordPressの市場を思い出します。あの頃国内にはまともなWordPressテーマがありませんでした。海外に大きな遅れをとっていたのです。だから国内ユーザーは仕方なく周回遅れの国内のWordPressテーマを使うか、海外のWordPressテーマをカスタマイズして使うかするしか選択肢がなかった。また、その時は無料ブログを使うという選択肢も根強くあったわけです。だからWordPressユーザーも専門的な知識を持った人と限られていたし、今ほど誰もが使うCMSにはなっていなかった。

でも、TCDが海外テーマ以上のクオリティのものを開発するようになったことで状況が変わってきた。今ではむしろ日本のWordPressの導入率は世界を上回り、トップクラス(※参照)になっている。これはWordPressがサイト制作において、他のCMSよりもリソースが豊富であることを証明しています。

HTMLメールにしても、もし海外並に本腰を入れて高い品質のテンプレートを制作する企業が生まれていれば、メールマーケティングの潮流も今とは大きく変わっていたと思います。HTMLが誰でも使える土壌があれば、誰もが導入していたはずだからです。私自身TCDを販売する身として、今後組織的なメールマーケティングを展開する必要性を感じており、そこにはHTMLメルマガは欠かせないものと感じています。なので、今後はそこらへんにも本腰を入れていく予定です。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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