なぜリモートワークが流行らないのか

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リモートワークが新しい働き方と言われて久しいですが、なぜか導入する企業が増えた話はあまり聞きません。むしろリモートワークを見直す事例の方をよく耳にします。また、導入事例を見聞きしてもたいていは月の稼働日数の何割だけという制限があったり、監視カメラや行動を記録するソフトウェアをPCにインストールさせたりの監視がキツイ系だったりします。勤務中の行動をシステムで監視するのは、オフィスで働くよりも居心地が悪いですよね。

新しい働き方と言えるほどのリモートワークを確立している企業はまだまだ少ないのが現状です。弊社は創業当初、最初の第一号のスタッフからリモートワークを継続してきましたが、そうすると他の経営者からリモートワークの現状についてよく聞かれるわけです。その内容というのは以下の3タイプに集約されます。

「サボったりしないの?」
「スタッフ間の連携はどうなってるの?」
「目的意識は共有できてるの?」

これらの疑問は既存の働き方をベースに考えると当たり前のように感じますが、働き方自体をゼロベースで考え直したらオフィスで働くことは1つの選択肢でしかありません。どこで誰と働くか、一人で集中してやる時間はあった方がいいのかどうか。そういうところから考えると必ずしもオフィスワークが効率的とは言えません。リモートワークの方が効率的なこともあるわけです。

それではまず上記の疑問に答えていきましょう。

サボらないのか?

結論から言うと、サボる人はやっぱり一定割合でいます。監視の目がないんですから当然です。ただ、リモートワークの良いところは、サボる人とサボらない人の差が明確になることです。仕事を自分の為にしているのか、他人に強制されてしているのか、自分で緊張感を作れる人なのか否か、これらが如実に結果として現れるわけです。ここは外回りの営業と同じで、自由度を高めれば差が明確になるというわけです。

一方でオフィスでみんなで集まって仕事するスタイルだと、この差が曖昧になりやすい。会社に来て何となく仕事をやった気になっている「無駄」があることも考えられる。みんなで顔を合わせて色々と意見を出し合ったりしても最適解に導かれるわけでもありませんし、実行に移されなければその時間は「仕事をやった気になってるだけ」なわけです。

また、弁が立とうが、取り入るのがうまかろうが、リモートワークだとあまり関係がありません。やったフリが通用するのは短い期間の間だけです。「この人、全然仕事してないじゃん」というのはやがてみんなの中で自然と共有されていくわけです。優秀な人、情熱的な人とだけ仕事したいと考えるなら、いつも顔を合わせて仕事する必要はありません。

業務の連携は可能か

これも結論から言うと可能です。弊社では基本的なやり取りはチャットツールを利用しています。細かいニュアンスを伝えたり、意識の摺合せをしたい時は通話を使うこともあります。あと、より連携度を要する業務をやっている人とは月1とかで定期的に会うこともあります。

外部の会社のスタッフと連携して同じプロジェクトを進めるときのことを想像すればわかりやすいです。毎日同じオフィスで顔を突き合わせる必要はないですよね。お互いに何をやるべきか、そこさえ分かっていれば場所を共有する必要はないのです。

目的・方向性の共有は可能か

この仕事は何のためにやるのか、どうしたいのか。そうした目的や感覚の共有は同じ仕事を進める上で大切なことです。共有意識がない人が相手だと、具体的なレベルで事細かに指示しないと動いてくれないからです。意識が共有できているからこそ、細かい点での指示や摺合せを省くことが可能となり、業務も効率化できるわけです。

それらの目的を共有するのに顔を合わせることは確かに重要です。意味はありますね。但し、毎日会う必要はないし、必ずしも顔見知りである必要もありません。現にフリーランスのプログラマーと一度も会うことなくスムーズに仕事ができていますし、これは社内の人間だろうと外部だろうと関係のないことです。共有できる人は会わなくても共有可能だし、何度会っても共有できない人は共有できない。これは自分と相手の意識の問題なので、会う回数よりも密度の方が重要というわけですね。

多くの経営者がリモートワークに興味を持ちつつも、これら3点を懸念してなかなか踏み出せない現状があると思います。ただ、オフィスでみんなで集まって働くスタイルは、ずっとリモートワークだけをやってきた弊社からすると非効率な面も多々ある。そんな経営者の方々へのメッセージとなれば幸いです。

追記:
続き「オフィスワークの3つの無駄とは」を書きました。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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