奇をてらっただけで中身がない商売

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最近東京方面で人気になっているという「予約の取れない会員制の飲食店」。お店によっては数ヶ月も予約が埋まっている店もあるようで、一部界隈ではそういう店にいつでも行けることがある種ステータスとなる空気もあるんだそう。どうでもいいんですけどね。そんな私もいつぞやか機会あって何ヶ月も予約がとれないと言われている会員制の焼き肉屋に足を運んだことがあります。

その店の特徴をまとめますと、こんな感じです。

  • 食べログに載っている
  • 立地は隠れ家という割に良い場所にある
  • 看板もしっかり出ている
  • 予約は数カ月先まで埋まっているが、つてがあればキャンセル分の枠がとれる
  • 入り口はオートロックでインターホンがついている
  • 内装は綺羅びやか
  • インスタ映えしそうな創作料理がメイン
  • 料理の美味しさ以上に高額
  • 会計時に会員登録ができる

高級店なのに料理の中身やスタッフ、客層は高級店らしからぬものだったということです。例えば、客層は脂の乗った起業家風な男性とキャバ嬢や政治家風男性と若い女性といったふうに年の差の離れたカップルが目立ちます。私は大阪ですき焼きといえば、ココ(関口)が好きなんですけども、こうした老舗高級料理屋と価格を比べると倍以上するのが特徴です。とは言え、料理の質は老舗高級料理屋にかなり劣るし、スタッフも高級店らしからぬ若いバイトの兄ちゃんを揃えている。

言ってみれば、こうした「予約の取れない会員制の飲食店」の多くは、料理や落ち着いた雰囲気といった中身で勝負するよりも、奇をてらったマーケティングで集客し、ブランドを作り上げているわけです。私が今回行った店は、完全に女性に見栄を張りたい男性のために存在する高級店という感じでした。

でも、奇をてらっているだけで中身がない商売は長くは続きません。なぜなら、奇をてらった演出は他が真似をすれば、新鮮味がなくなるからです。新鮮味がなくなるとまた新たに奇をてらったアイデアを考えなければいけない。だから、最終的に問われるのは中身なのです。

ウェブのメディアについても同じことが言えますね。ちょっと前はオモシロ系で奇をてらった記事が増えましたが、元祖のオモコロ以外はだいたい滑ってたりする。笑 奇をてらうことで確かに一時的には売上を伸ばせるかもしれませんが、それはカンフル剤を打ち込んでいることと同じなので、後がキツくなりますね。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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