「田舎者が東京に住む」ことについて

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地方から東京に移住する理由は様々です。

  • 都会のキラキラな生活を夢見て
  • 仕事を求めて
  • 地元が苦手

単純に仕事を求めて、地元に飽きたといった理由も多いでしょう。一方で、東京という街の「華やかさ」に憧れて上京する人も少なくありません。東京に行けば、何かが変わるんじゃないだろうか、という期待を抱いて。まさに「東京女子(男子)図鑑」のようなストーリーです。

そこで本記事のお題は、田舎者が東京でキラキラな生活を実現するには、どのようなハードルを超えなければいけないのか、また犠牲を伴うかを書いてます。

東京の現実

住宅費が高い

1つ目の特徴は、住宅コストが高いということです。

家賃平均(2022年5月)
都道府県 家賃
北海道 48,626円
宮城県 54,272円
東京都 72,937円
愛知県 55,481円
大阪府 61,555円
広島県 52,616円
福岡県 55,306円

参考:全国賃貸管理ビジネス協会| 2022 5月

東京全体で言えば平均的には高い金額ではないので、選り好みしなければ問題はありません。

ですが、東京に憧れてキラキラした生活を実現したいという層にとっては、単身者で月20万、ファミリーで月40万の家賃は最低でも必要です。タワマン、駅近、40平米以上、1LDK。これだけでも20万円では足りないでしょう。オシャレな街にそれなりに快適な広さと機能性を兼ね備えた住宅というだけで、一気に賃料が跳ね上がるのが東京です。

そして、上には上がゴロゴロいて、見出せばキリがない世界。そういう存在を知ってしまうと、せっかく手に入れた都会生活も、味気ないものに変わってしまうかもしれません。つまり、沼です。

最初から東京に対する幻想なんて持たずに、現実的に考えている人は自分に合った住まいを探せるだろうと思います。でも、東京を知らずに妄想だけ膨らませて上京してきた人にとっては、なかなかツラい街だと思います。

格差がすごい

自分と周りとの格差を感じやすいのも東京の特徴です。以下を御覧ください。

東京23区 地域別年収
参考:【2021年】東京23区「年収ランキング」1~23位を発表|資産形成ゴールドオンライン

東京という場所は、収入によって住む場所と遊ぶ場所が変わります。アメリカやイギリスほどははっきりしてないものの、金がモノをいう資本主義色が色濃く出ているのも東京の特徴です。

他の都市圏はどうなっているかというと、東京のような差はどの都市にも見られません。以下は大阪市内の地域別年収分布表です。

大阪市 地域別収入
参考:各区別 世帯の年間収入階級別世帯数及び区内構成比率(クリックで拡大可)

外から来た成金があまり存在しないのも他の都市圏の特徴とも言えます。

例えば、大阪では年収1500万円以上の割合が高い旭区と阿倍野区となっています。これは成金の影響というより、土着の人の比率が高いと思われます。成金は旭区や阿倍野区にあまり興味を持ちませんし、どちらかというと中心に近い西・北・中央区を目指すでしょう。

東京港区は田舎から出てきた成金や外国人が底上げしている一方で、その他の都市圏は土着の裕福な人が少し底上げしている程度。と言っても、首都圏以外では目立った格差が存在ないので、お金を持ってようとなかろうと、同じ店に行きます。そもそもバカ高い店がないです。

周りを気にして生きている人率が高い

外から来た人が多いがゆえに、周りを意識してしまうのも東京の特徴です。

なぜそうなるかというと、根無し草が多いからです。自分の中に価値観がない。根無し草の人は、善悪の価値観すら自分の中ではなく、外(ルールや常識)にあります。自分の中に答えはないので、比較や相対化の中で自分の価値を見いだそうとします。自分で自分の価値をつけられないのです。

だから、一部の人は、住んでる場所や収入など明確に数値化できる基準でマウントをとったりとられたりもするし、そうやって勝手に傷ついて生きている。

周りが子供を生んだからうちも、武蔵小杉にマンションを買ったからうちも・・・
周りの行動が自分の行動基準になる。他人や環境を主体にして生きているうちに、どんどん苦しくなっていくんですね。

で、この苦しみを晴らすために、ヒエラルキー上位を目指そうとする人も一部います。例えば、成金になるとかですね。でも、周りとの比較という動機から上位を目指そうとすると、いざお金を持っても悩みは尽きない、むしろ悩みばかりという状態になるので、気をつけてください。

脱首都圏

処方箋は、3つあります。

  • 脱首都圏
  • 競争から降りる
  • 幻想を捨てる

とりあえず地元に帰るか、都会に住み続けたいなら博多、広島、大阪など、都会なのに気取らない街に移住するのが手っ取り早いと思います。西がおすすめです。首都圏とは違う空気が流れていますので。

東京で自分に合った快適な生活をおくるなら、競争から降りて、東京幻想を捨てることです。東京には何でも揃っている、キラキラした自分も手に入る、などという幻想は捨てるのです。ないからです。

時折、欧米や東南アジアに移住する人がいます。例えば、ニューヨーク、シンガポール、ドバイとか。あれって、全員とは言わないけど、東京幻想が敗れ去ったリベンジ的な思考で移住している人が多いです。

どういうことかというと、逃避が見え隠れしつつ、どこかプライドや競争心の捨てきれなさも残している感じですね。だから、結局最終的に東京圏の価値観に引き戻されてしまうのです。「東京都シンガポール区」に引っ越しした、みたいな感じですね。オリラジの中田敦彦さんとかまさにそんな感じしません?

外国に住むと、最初は新鮮で周りが見えないものですが、いずれまた周りを見てしまいますから。

外国に移住するなら、仕事は日本とは関係ないところで土着の仕事につくとか、あっちだけで完結する人間関係を築くとかしないと、移住ではなく長期旅行と同じです。その社会に溶け込まないと、ここで言う意味の脱首都圏にはならないんですが、外国に行くと溶け込むハードルが高いので、ついつい日本人や日系企業から仕事をもらい続けるといった選択をしがちです。そうすると、ただ住んでるだけなので「東京都シンガポール区」に引っ越ししたのとなんら変わらないわけです。

まとめると・・

東京は便利な街です。しかし、あなたの夢が叶う場所とは限りません。むしろ、その夢はありもしない幻想かもしれません。

東京に住むことが悪いと言っているわけではありません。ありもしない幻想を作り出している可能性があるのでは?と伝えたいのです。

仕事はある、物もある。でも、キラキラした生活があるかどうかは、その人次第。東京だからあるわけではありません。

そこに気づいたなら、現実を生きましょう。

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中田俊行

1982年大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
WordPressテーマTCDを運営したり、ブログやメルマガを書いたりしてます。

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