そんな有料メルマガのブームを振り返りながら、短命に終わった理由などにも触れてみたいと思います。
なぜ有料メルマガのブームは来たのか
有料メルマガブームの火付け役は堀江貴文さんです。2010年2月に有料メルマガを開始、1年経たずして年商1億円のビジネスに育て上げたのでした(参照:ホリエモンの有料メルマガ 読者急増で1億円ゲット間近)。この成功事例は当時としてはセンセーショナルなニュースとなり、2011年〜12年にかけて著名人だけでなく、一般のネット起業家やアフィリエイターまでも群がるように有料メルマガを発行し始めたわけです。それが有料メルマガのブームの始まりであり、ピークであったわけです。
著名人以外に流行らなかった理由
ただし、現在有料メルマガを発行している人の顔ぶれを見てもわかりますが、著名人だけしか生き残ってないんですね。知名度が高くなかった人は一部を除き、ことごとく消えてしまいました。
・週間総合ランキング 有料メルマガ版 – まぐまぐ!
https://www.mag2.com/ranking/rankingwp.html
その要因としては2つあると思います。1つは相場単価の低さ。有料メルマガの相場は200円(税抜)から800円に集中します。ホリエモンが週一回3部配信で800円(税抜)/月で、内容から考えても非常に安いと言えます。他の著名人たちは照準をそこに合わせるように500円とか200円とかに設定していきました。よって、相場がどんどん下がっていったわけです。ここまで相場が下がると少数の会員制メルマガは成立しない。100人程度の少数のコアなファンを抱える著者が月800円でメルマガを発行しても80,000円にしかならない。商売としてはなかなか成立しにくいですよね。
さらに追い打ちをかけるのが、システム利用料の高さです。有料メルマガに力を入れていた「まぐまぐ」ではなんと売上の半分が利用料として搾取されてしまいます。よって先ほどの100人の読者の例だと半分の40,000円しか発行者には入らない。単なるメール配信と決済システムを提供するだけの業者が50%も持っていくわけですからなかなかの暴利です。このコンテンツ制作者にほとんどお金が落ちないシステムが国内では当たり前になっている状況では知名度が高いがゆえにギリギリ成り立つ程度のビジネスであって、有料メルマガをビジネスとして成立させるには、まぐまぐ以外の新しいプラットフォームが生まれない限り難しいでしょう。
このブームの時期に多くの人が参入→撤退した事実がそれを物語っています。
一方向性のメルマガ、双方向性のサロン
では、今後も有料メルマガはないかというとそうではないと思います。メルマガは一方向性の情報発信に優れたメディアです。一方、最近ブームとなっているオンラインサロンは双方向性のメディアで、ライブ配信やオフ会、イベントなども行うので、サロンが一つのコミュニティとなっているわけです。そういうのが苦手な人や目指している方向と違うと言う人は一方向性のメルマガをサブスクリプション型のビジネスとしてもいいわけです。私も個人でやるならそちらですね。
ただ、先ほども言った通り、相場が低い点とプラットフォーマーのシステム利用料の搾取構造という壁が待っている。強いコンテンツと発信力、そこに新しいプラットフォームが出てくれば、有料メルマガがニッチなところから生息範囲を広げていく可能性は無きにしもあらずです。
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