彼らはお金がたくさんあるんだから色々試せる立場にあるはず。にも関わらず、なぜセンスが悪くなってしまうのか。ちゃんとした理由があります。
「収入と幸福が比例する」と思い込んでしまっているからです。
そんなわけないのは少し考えればわかること。彼らだって頭ではわかっているんです。でも、そうなってしまう理由がある。潜在的に刷り込まれてしまう理由がある。
成金はたいてい若い頃にお金で苦労した経験をしています。だから、ハングリー精神もあって成功しやすいわけです。彼らがお金を手にして使ったときの喜びは人の何十倍も味わうことになるんです。
これは私の経験談でもあるんですが、最初はお金がなさすぎるからディスカウントストアの安い缶コーヒーを飲んでいたと。で、お金の自由度が上がるにつれ、コーヒーもグレードアップしていくんです。自販機の缶コーヒーがいつでも飲めるようになり、それがスタバになり、ホテルの高級ラウンジに・・・という感じで。価格が上がるにつれ、喜びも増していく。
コーヒーに限りません。あらゆる場面でそれに似た経験をすることで、「収入と幸福が比例する」というマインドが徐々に根っこの方に刷り込まれていくわけです。
そういう刷り込みが完了しているから、高い値がつくものに価値を感じる。本当は「自分に合っているか」が何よりも大事でしょう。しかし、価格が優先される。ハイブランドのロゴがデカデカと入った服を着てしまう成金が多いのはそういうメカニズムがあるのです。
収入と幸福はある一定のところまでは比例します。収入が増えれば、コーヒーの選択肢の幅も広がる。選べる範囲がある程度広くあると幸福につながりやすい。でも、一定のラインまでいけば、まったく比例しなくなる。
コーヒーだって、毎回ホテルで飲みたいわけではありません。ほんとにたまに、でいいんです。ゆっくりしたい時とか。その辺の喫茶店でも美味しいコーヒーは飲める。コンビニのドリップコーヒーを公園で飲んだら美味しい。高い=良い、ではないことも多いですよね。
お金を持っているのにセンスがないのはもったいないですよね。せっかくのお金が泣いてますね。
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