「週末起業」から「好きなことをして生きていく」時代へ
「好きなことをして生きていく」という言葉が色んなところでキャッチーに使われていますが、これと中身が同じもので、「週末起業」「目覚まし時計のいらない生活」といった言葉がありました。2000年台中盤くらいによく耳にした言葉です。当時はこうした条件をクリアしたビジネスはほとんどなかったわけです。
- 個人でもできる
- 働く場所や時間の制約を受けにくい
- 資格や高度なスキルが不要
- 初期投資が不要
- 育てることで大きな収入が得られる
独立するには資金が必要。インターネットビジネスはそういう常識を覆すには十分なインパクトでした。そして、2000年台後半というのはアフィリエイト、ECサイト、ドロップシッピング、情報商材といった副業バブルで、今で言うところのユーチューバーのように億単位の収入を得る個人が続々と誕生したわけです。ただ、この時はビジネスや起業に興味がある一部の層にしか響かない生き方でした。収入が得られる分野が非常に限られていたからです。
「週末起業」から「好きなことをして生きていく」時代に
なぜ、十数年前はインターネットでお金を稼げる分野が限られていたかと言うと、供給と需要をマッチングするサービスもほとんどなかったですし、インターネットユーザーも今ほど多くはなかったからです。テクノロジーの進化が、個人で稼げる分野を劇的に拡大させたわけですね。
そうした進化によって、一部の人だけではなく、誰もが「好きなことをして生きていこう」と思えるようになった。十数年前とは違い、身近になったと言えるでしょうか。
収入を得られる分野が限定されていた時代
昔はインターネットでお金が稼げる分野は非常に限定されていたわけで、私自身もその限定された中で生きてきました。だから、アフィリエイトという世界から始まった。今はアフィリエイトの延長線上として色んな事業を展開しているわけです。これはこれで好きなことをやっていると思います。なぜなら、10年以上続けているからです。
仕事をすることはまったく苦にならないですし、むしろやってないと自分ではない。プライベートと仕事の境目もなく生きているので、よく「仕事がしんどいと思ったことはないか」と聞かますが、まったくそういう感情が沸いたことはありません。仕事している時間は特に好きとも苦とも感じていない。ただ無我夢中にやっているだけです。時間を売っている感覚がなく、常にモノをつくるというスタンスだからでしょう。でないとできないでしょう。笑
自分の好きな分野が選べる時代
今は選択肢がたくさんあります。ほとんど選択肢がない中から初めるのではなく、最初から好きな分野を選べる。これって一見恵まれているようで、そうとも言えないと私は考えています。広範な分野でマネタイズができる今の状況はありがたいことではありますが、吟味して選択したからといって望む結果になるとは限らないからです。
よく聞くのは、好きなことをやったけど、「思っていたのとは違った」「お金にならなかった」という話。本当に多いですよね。なぜこうなるのかというと、好きなことをやるだけで終わっているからです。
選択しただけでは良い結果にはならない
シンプルに考えると分かりやすいんですが、野球が好きだからってプロ野球選手にはなれないですよね。多くの人は「好きなことをして生きていく」という言葉を「野球が好きだから野球で食べていこう」という思考でとらえているんですよ。
当然ですけど、プロ野球選手で食べていくには観客やスポンサーが必要です。お客が自分にお金を出してくれるか、お金を出す価値があるかが大事なわけです。つまり、「好きなことをして生きていく」というのはお金を出してくれる人に対してそれ以上の価値を提供できているかという商売の本質を捉えたものである必要があるのです。
個人で稼ぐ手段が民主化したとか言ってお花畑になってるだけの人には実現できませんよという話です。とは言え、最近は価値をごまかしてお金が稼げる時代にもなりましたが。まやかしが通用しやすくなっているとも言えます。ただ、それが長続きするとは思えないですし、やはり商売の本質はこれからも変わらないでしょう。
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