売れ線ばかりを追い求めると、時代の先を見る力を失う

  1. 商品力
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弊社で開発・販売しているTCDというWordPressテーマに「PHOTEK」というものがあります。この商品は2015年6月にリリースしたテーマで、思い入れのあるものなんです。「PHOTEK」は商品を企画した段階からすでに売れ線から外す、というか外れるしかないだろうという思いのもとにつくられたものです。ユーザーを驚かせようという純粋な気持ちで形にした作品です。実際、デザインが上がってきた時には私の予想を遥かに超える外し具合でした。長らくTCDの変遷を見てきたユーザーにとっては、今となっては見慣れてしまったかもしれないですが、トップページだけでなく、下層ページも今までに見たことがない構造でしたし、当時は驚きを持って迎え入れられたと記憶してます。リリースする際にもマーケティングにも力を尽くしますが、「売れなくても仕方がない」という良い意味での諦めが私自身にもありました。

結果としては予想通りで、リリース直後の売れ行きは鈍かったです。ただ、私は「PHOTEK」は当時のウェブサイトの常識の随分先を行っていると思いました。少なくともWordPress市場に大きなインパクトをもたらすだろうと。そうこうする内に今4年の月日が経とうとしています。どうなったか?そこそこ売れているのです。おもしろいですね。

これは売れないだろうと思っていたものが、4年の月日によって売れだしている。運良く時代がついてきてくれたのか?はっきりしたことは分かりませんが、世の中思惑通りにはいかないなと思います。もちろんこのページで公開している売れ行きベスト12に入るほどではなく、めちゃくちゃヒットしているわけでもないですが、過去人気だった「Gorgeous」や「LUXE」を押さえて売れているのは、4年の月日の中でユーザーのニーズ傾向の変化を示す資料にはなります。個人的には4年が経った今では古さを感じていて、リリース当時から使って頂いてたらもっと嬉しかったなという思いもあったりするのですが。

時代性を外す。時代を置き去りにするくらいの冒険を

一般的に新商品・新サービスを企画する際には、時代のニーズや現実的な用途に合わせた企画が求められます。大企業だけでなく、スタートアップにしても売れ線に近づくことが求められるのです。スタートアップなんかは、売れ線ど真ん中でなければ資金を集められませんしね。ただ、時には売れ線を捨て、あえて業界やユーザーや置き去りにするくらい時代の先を見出す冒険が開発の現場にあってもいいのではないでしょうか。なぜなら、その姿勢が新しいものを生み、時代を作り変えるきっかけとなるからです。

もちろん、時代が自分たちが考えたものとは真逆の方向に行くこともあるでしょう。でも、人々が予想する範疇である時代の1歩先ではなく、3歩4歩先を行くくらいの勢いでモノづくりに挑もうとすると、みんなが楽しいんですよね。

組織に属していると、売れないとやる意味がないと言われてしまいがちです。実際にその通りです。金策に奔走している人がそんなことをしている場合でもないことは分かる。でも、余力があるなら売れ線外しをしていい。売上度外視で自分たちがいいと思うものをつくる。そういう遊び心は大切にしていきたいですね。

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中田俊行

大阪生まれ。株式会社デザインプラス代表。WordPressテーマTCD・フォトストックサービス「マルシェ」シリーズなどを運営。

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