で、ここで苦手なことが存在する理由について考えてみたいんですが、それは生育環境ですね。例えば、話すのが苦手という人がいたとしましょう。なぜ会話が苦手になったかというと、生きていく上であまり必要なかったからです。これは裏を返せば、他の能力を使って生きてきた可能性が高いということです。
昔、島田紳助が、「僕は一人っ子だから友達が帰ってしまうのは死を意味する。だから、少しでも引き留めようとおもしろいことを言いまくってた」とそんなことをテレビで話してた記憶があります。なるほどなと思いました。生きていく上で必要な能力はこうやって伸びていくわけですね。
私が何が言いたいかと言うと、誰しも何かしら得意なことが備わっているということです。そして、そこに気付けるかかどうかで人生は変わってくるということです。
人は自分の苦手分野に注目しがちで、それを克服しようとします。もちろん環境が変わったことで苦手分野の克服がどうしても必要になることもないとは言えません。しかし、それはあまり合理的な判断ではない可能性が高いです。
例えば、地球に隕石が振ってきてすべての文明が破壊され、サバイバル生活を余儀なくされたとします。そこでもしあなたが運動音痴なら狩りで生きていくのは難しいでしょう。でも、持ち前の明るさがあれば、周りの人を元気づけられる。頭が良ければ、合理的な作戦でチームを導いてあげられる。自分の得意分野は、相手から見た魅力でもあるのです。
ちなみに、私は会話の中で人を笑わせるのが苦手なんですね。でも、会話の中に笑いはある。なぜなら、間を読めるからです。言葉数が少なくても相手の気持ちを汲み取れるので適切なタイミングで言葉が出てくる。お笑い芸人のような会話はできないけど、互いに会話で楽しめる。そういう人って多いと思うんですよね。
人が持つ魅力はみんなそれぞれです。だから、苦手分野を克服することより、これまで生きるのに活用してきた得意なことに目を向ける方が魅力を開花させることに近いですね。
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