Slackは果たして生産性を上げたのか?

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多くの企業では、社内コミュニケーションをSlackやChatworkといったチャットツールで行っています。私の会社でも2015年5月からSlackを使用しています。

弊社は創業時から全スタッフがリモートワークでして、コミュニケーションの多くをチャットツールで済ませています。その他は、電話(通話)やメールですね。基本的にはチャットツールです。

10年間Slackを使ってきて思うのが、本当に生産性に寄与してるのか?という疑問です。この疑問は以前からあったんです。でも、見て見ぬふりをしていました。チャットツール=善という思い込みもありましたし。

でも、それも良くないので、チャットツールの是非を一から考え直し、社内でもSlackの位置付けを変えました。全スタッフがログインする必要はないという結論です。

もちろん、チャットツールにはメリットもあります。そこで本記事ではチャットツールのメリット・デメリットから適正な運用について記したいと思います。

Slackのメリット・デメリット

SlackやChatworkなどのチャットツールのメリットはこちらです。

Slackのメリット:

  • 会話に近いスピードでコミュニケーションがとれる。
  • 余計な挨拶抜きで本題に入れる。
  • コミュニケーションに参加していない人にも情報共有できる。
  • 記録が残るし、後から参照しやすい。
  • AIや連携ツールで情報整理ができる。
  • タスク管理ができる。
  • ハドルミーティングができる

並べただけでも有り余るメリットがあります。業務を円滑にする上で、メールよりも絶対良さそう・・・そう思えますね。

しかし、このメリットを活かすには前提条件があったんです。開発の中心人物、決定権を持つ人、意欲の高い人、これらの人たちが使う場合においてはSlackは有用です。

一方、一般企業で使うなら、そうでない人もたくさんいるのが普通です。そうなると、メリットは薄れ、デメリットの方がデカくなっていく。

Slackのデメリット:

  • 自分に必要のない情報が入ってくる。
  • 有益な機能を使いこなせない人が大半。
  • 影のような無の存在が現れる。
  • ログインするだけで仕事した気になる。
  • 社内政治の場に使われる。
  • 士気が平均化される。

Slackは、何かを決めたり、仕様を複数人で策定したりする場合は、便利です。目的がある場合には有用なのです。しかし、会社とは目的も意思もない人達も含めて会社です。そういう人たちもまとめてSlackを使うようになると、カルピスの原液が薄まるかのように、開発の中心にいるような重要人物たちの士気も削いでしまう。

これは良くない。メリットの副産物ですね。

総じてSlackの評価は?

では、Slackは生産性を下げたのか?いや、下げてはいません。

もし生産性を下げているなら、私の会社でも早々に使うのをやめていたでしょう。しかし、良い面も確かに存在し、それを取り入れないのは勿体ない。結論としては、Slackは生産性を上げています。

しかし、それは万人に言えることではなく、先程も言った通り、良いところもあれば副作用もある。

特に「会社」という場には、色んな人がいる。「早く帰りたいな」「(SNSを開いて)こいつ腹立つなー」「次のデート、どこ行こうかな?」と仕事中もやってる人たちも含めて会社なのです。

そのような場で、Slackが万人に有効活用されるかというと、そんなわけがない。悪い作用の方が大きい場合があるのです。何も考えずに導入すれば。

チャットツールが普及して十数年も経つわけですから、このあたりでより効果的な運用方法を企業も考える必要があるのではないでしょうか。次の項に移ります。

これからのSlackの有益な使い方

昨今では全社員がチャットツールのアカウントを作成し、参加するケースも少なくありません。しかし、これには無用な時間とコストがかかっていることを見逃してはなりません。貴重なリソースを捨てている可能性があります。

Slackのメンバーは、開発の中心人物、決定権を持つ人、意欲の高い人だけで構成するべきです。もしそれ以外のメンバーも必要なら一時的に参加してもらうか、ゲスト参加に留める。チャンネルが躍動的かを重視し、稼働してないチャンネルは閉鎖、活動してないメンバーは一時的にログアウト。

プロジェクトを企画、策定し、動かしていく初期段階においてはチャットツールをフルに活かし、役目を終えたら解散。そのような管理が望ましいでしょう。Slackというキャンバスがいつも躍動していることが理想です。

Slackも無料ではないんですよ。各プランの料金を参加人数ごとに整理すると、これだけの年間コストがかかる。

10人 50人 100人 200人
プロプラン(年) 126,000円 630,000円 1,260,000円 2,520,000円
ビジネスプラン(年) 259,200円 1,296,000円 2,592,000円 5,184,000円

さて、これは安いでしょうか?もちろん、これ単体で企業の利益を圧迫する原因にはなりえないでしょう。塵も積もればですが。100人の企業が1/4に人数を減らせば、1年で1,944,000円、10年で19,440,000円のコストカットになります。今Slackを使ってる企業は10年後もどうせ使っているわけですから、そう考えると大きいでしょう?

まとめると、Slackは生産性を上げるのに必要なコミュニケーションツール。でも、盲目的に信仰するのはやめましょう。絶対に生産性が上がっているとは限らない。適切な使い方がある、という話でした。

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中田俊行

大阪生まれ。株式会社デザインプラスという会社を経営しています。
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