多くの人は、お金の不安を抱えています。老若男女、投資に貯金にと蓄財に必死です。
では、いくら貯金があれば安心なのでしょうか。
一生働かなくていい貯金は?
「一生働かなくていい貯金」は一般的には2パターンの計算方法があります。
- 貯金パターン: 生活費 × 年数
- 投資信託パターン: 年間生活費 × 25 = 必要資産
貯金パターン
預金や現金で貯めるパターンの場合は、シンプルに生活費 × 年数の計算です。これにインフレ率を加える必要がありますが、それを無視したら次のようになる。
| 年間生活費 | 年数 | 必要額 |
|---|---|---|
| 400万円 | 30年 | 1億2000万円 |
| 600万円 | 30年 | 1億8000万円 |
| 1000万円 | 30年 | 3億円 |
投資信託パターン
投資信託パターンの場合、FIRE界隈で有名な「4%ルール」を取り入れると、年間生活費 × 25 = 必要資産 となる。毎年安定して4%以上のリターンがある投資信託に投資していることが前提。
資産を運用しながら毎年 資産の4%を取り崩しても、30年以上資産が尽きない可能性が高いという考え方。
試算すると、次のようになる。
| 年間生活費 | 計算式 | 必要資産 |
|---|---|---|
| 300万円 | 300万円 × 25 | 7500万円 |
| 600万円 | 600万円 × 25 | 1億5000万円 |
| 1000万円 | 1000万円 × 25 | 2億5000万円 |
1と2では、金額に大きな差があることがわかります。
結論、安心な金額はない
先に一般論を述べました。ただ、これで安心かというと、そうでもないわけです。
生活費は、環境が変われば変わる。
家族が増えれば、増える。大切な人ができたら増える。急な出費も必要かもしれない。将来やりたいことが出て、お金が必要になるかもしれない。晩年派手なお金の使い方を覚えてしまう人もいる。先のことなんて誰にもわからない。変数が多すぎるのです。
支出は一旦増えれば簡単に戻らない。
お金を持てば生活レベルは自然と上がる
お金を持てば生活レベルが上がるのは自然です。おかしなことではありません。
例えば、3000万から1億のマンションに引っ越すだけでも全体の生活レベルが上がります。固定資産税はもちろん、キッチンなどの設備のグレードも変わるため、維持費用も上がります。良いキッチンを使うようになると、100均の食器は合わないから1万円のお皿にしようかとか、高いお皿に合う食材を買おうとか、そうやって1つの生活レベルを上げると、他もそこに引っ張られるように上がるのです。
お金をたくさん使えば、見栄が生まれる
良いマンションに引っ越せば、周囲の交友関係や人からの見え方が変わります。そうすると、車も軽から外車にしようとか、子供をインターナショナルスクールに入れようとか、見栄をはる必要が出てくるかもしれません。
空気に流されて小さな見栄をはってしまうと、それがどんどん膨れ上がってくる。そうすると、年収1000万、2000万あっても足りません。
生活レベルは簡単に落とせない
一度上げた生活レベルは簡単に落とせません。自分一人ならまだしも、家族もそうなっているからです。急に家族に支出を抑えてほしいと言ったって、簡単には納得してもらえないかもしれない。あなたがもし金持ち自慢していた起業家なら、そんなこと言おうものなら、間違いなくパートナーにそっぽ向かれてしまうでしょう。
今の生活レベルで築いた人間関係は、その生活レベルでしか維持できない。
100億持っていれば安心?
安心ではないです。理由は以下。
お金を持つ者ほど、なくなる恐怖が大きい
お金というのは不思議なもので、あればあるほど、不安を増幅させるものです。
そのため、お金持ちほど株、債権、金、仮想通貨、不動産など資産を様々な形に変えて持っている。さらに不安が大きな人は、海外不動産に行く。ドバイ、ニューヨーク、タイ。
金を持つほど不安で不安で仕方がない。おそるべきパワーです。
実際になくす者もいる
若い頃は100億円の資産を持っていたのに、日本やハワイに豪邸を建て、贅の限りを尽くした結果、晩年に100円の支出すら困るという人も実際にいます。
以下は現実の話です。
超がつくほどお金を持っていた二代目経営者がいました。梅田の一等地に大きな自社ビルがありました。
彼は毎日北新地に飲み歩き、愛人も複数人囲っていました。新地のお姉さんや飲食店オーナーたちは群がるように彼を「王子」と持て囃していました。そうやって大金を使わせていたのです。
ある時、事業が駄目になりました。でも、その生活をやめられなかった。なぜなら、そこが彼の人間関係のすべてだから。飲み歩くのをやめる=孤独を意味するから、全てを失うまでやめられなかった。今でも時折、リーズナブルなワインバーに顔を出すそうですが、金払いの悪くなった彼を誰も相手にしないそうです。
金持ちたちは、それが本能的にわかっているから、金を失うのが恐い。
実在しない「不安」に怯えている
お金と持ちすぎても不安。持たなさすぎも不安。
「じゃあどうすればいいの?」と思ったかもしれません。
冒頭で言ったように「安心できる金額などない」。だから、心の持ちようです。
年収400万でも「足りない」と言う人もいれば「十分」と言う人もいる。
年収2000万でも「足りない」と言う人もいれば「十分」と言う人もいる。
結局、額面ではなく、人それぞれということでしょう。自分がいくら必要なのか、何をしたいかを知ることが大事です。そのために、以下を心がけると良いでしょう。
- 人と比べない
- 先のことを考えすぎない
- 少額でも毎月収入がある状態を作る