最近はサラリーマンになりたがらない若者が増えていると言います。私の世代でもそう言ってた人は多かったように思いますが、大半はサラリーマンをやっていますので、昔から若者が抱きがちな思考なんだと思います。男は単純なので、「俺は特別なんだ」「かっこよく生きてやる」みたいなロマンを抱きがちです。かくいう私もそう。
ただ、昔よりフリーランスや起業のハードルは低いので、実現可能性は上がっています。今後サラリーマンの割合が減っていく可能性はなくはないのかもしれません。
サラリーマンのメリットは、お金をもらいながら学べることです。自分の子供が起業したいと言い出したとしたら、まずは起業したい分野でアルバイトや正社員で働かせてもらうことを奨めるでしょう。学校に行くより、働かせてもらいながら学ぶ方が効率が良い。お金ももらえる。見方を変えればサラリーマンは最高な環境です。
例えば、建築士として独立したいなら、高卒で一級建築士事務所に飛び込む。丁稚として何でもやる。雑用でもなんでも。オーナーの信頼を獲得し、可愛がってもらいつつ、色んな仕事を任せてもらえるよう技術を高める。建築士の資格の勉強もやる。もしオーナーとの相性が悪ければ、別の建築事務所に移る。そうやって、高校卒業してから「5年」とか「6年」など独立までの期限を決めてやりますね。
起業するなら、ずるずるサラリーマンを続けてはいけません。学べることをすべて吸収したら、サッと辞めるべき。年齢を重ねるほど、自分の可能性を狭めてしまうからです。起業はいち早く実行に移すべきなのです。私は25歳で起業しました。それでも遅いと思っています。
サラリーマンのメリット
では、起業という目的がなく、サラリーマンを続けている人のサラリーマンのメリットとは何でしょうか。フリーランスや起業と比較するとこんな感じでしょうか。
- 成果を出さなくても毎月お金が銀行口座に入る
- 休日は仕事のことを考えなくて済む
- 問題が起きても責任を取らなくて済む
サラリーマンのメリットを享受する問題点は、自分という人間がどんどん腐っていくことです。人として大事なことを置き忘れたまま、年を取っていきます。腐って年を取ると、「老害おじさん」「働かないおじさん」と呼ばれるようになり、社会や組織の厄介者の扱いを受けます。上司、部下、さらには家族からも。
誰もそんなことは若い頃には想像していない。想像していないから、いざ自分がそうなった時、戸惑いや驚きが先にくる。元来自覚はないのです。
民間企業にはリストラ、減給、倒産というリスクもある。人間関係に起因する退社もある。低賃金で、資産も乏しく、生身の自分に力もない。しかも、年を取っている。となると、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれるリスクがある。そういったリスクを避けるために、公務員としての働き方は、資本主義社会の中では身を助ける手段となると私は考えています。
成功する起業家は、最初のどこかの期間でしんどい時期があります。100%仕事、それ以外のことは考えられないし、興味もない。同年代がデート、趣味、旅行等で楽しんでいる間、成功するために100%の時間を使う。そういう時期を過ごしています。
ですから、サラリーマンという生き方は、そうした修羅場を潜らなくて済む分、楽です。でも、長期で見れば楽とは言えない。ずっと真綿で首を締め付けられる苦しさがある。「ゆるいんだけど、ずっと苦しいな」が一般的なサラリーマンの性分です。
無論、全員が全員ではありません。例外はあります。良い会社と巡り合い、その中でもトップ10%の人はサラリーマンという環境を活かして、幸せに暮らしている。でも、大半はそうではない。
サラリーマンの脱却
一般的なサラリーマンがオワコンなのは、今も昔も同じです。世間の人々は気づくのが何十年も遅いんです。
まずは、起業志向の人がやるべきことはシンプルです。勤め人として一定期間学ばせてもらい、期限を決めて独立する。これ一択です。
起業志向の人
→ 期限を決めてサラリーマンをし、独立する
次に、起業志向がない人。これは2通りに分かれます。人の役に立つことが好きだったり、そこに力を惜しまない人は、自分の力が人の役に立つ環境を探すこと。
→ 良い会社に入り、力を使ってもらう
「良い会社」というのは、業績が良い悪いとか将来性の有無ではない。社会の役に立っている会社ですね。一人親方のところでもいい。一人で飲食店をやっているオーナーも良いのではないでしょうか。オーナーがお客さんのことをよく考えている人だと、そこに従うことで学びがあるし、長く活力を持って続けられると思います。
安定はないでしょうが、そこは大丈夫。自分の力で切り開いていくことができる人だからです。安定とか給料とかが気になるなら、この生き方は向いていない。次を読んでください。
次に、楽をしたい、頑張りたくない、知らない人のためとかそんなの興味ないし、自分の時間や家族との時間を大切にしたい。そういう人は、ただ労働力をお金に換えることに割り切るのが良いです。なぜなら、良い会社に入っても、そこにいる人達と軋轢を生むだけだし、居づらいですよ。ベストチョイスは公務員でしょう。割り切ると、そうなります。
→ 公務員
公務員じゃなくても、東証P上場の大手企業でもいいんじゃないか?そう思われたかもしれませんが、シャープ、パナソニック、日産のようにならないと言い切れるなら良いでしょう。あなたが今20代なら、最後まで持つか。オジサンが荒野に放り出されたら、即座に食い物にされます。38歳でたいした経験もない弱小生物が厳しい環境で生きていけるわけがありません。当然です。
日産に入って、良い会社に変えていくんだ、良いクルマを作って人を喜ばせるんだ、という強い情熱があるなら良いですが、ないですよね。楽して安定して給料もらって・・・と良いところだけ取りたいわけですよね?条件で仕事を選ぶ人は、公務員が良いんです。
サラリーマン誕生のカラクリ
なぜ一般的なサラリーマンが誕生するのか。それは「学校」という環境の影響が大きいです。別に先生や文科省が悪いという話をしたいわけではない。もちろんそれらも影響しているでしょうが、学生側の立場からすれば、文句を言っても仕方がありません。
学生たちは、何の疑いもなく、受験勉強をして偏差値の高い学校に進学することを善としています。条件の良い会社に就職するために。疑いを持たない要因は、親や先生の刷り込みが前提にあり、そこから同級生たちとしかつるまない環境が蓋をする仕組みです。
同級生は、社会経験もなく、何が大事かもわからない。まだ自分の頭で思考できる下地を持たない人がほとんど。自分よりも10も20も年上で、社会で成功している人たちと接する機会がない。同級生としかつるまない環境が、自分を小さな世界に閉じ込め、視野が狭いまま生きていくことになる。
社会人になってもまだ学生みたいに同級生と遊んでいるやつには、たいしたやつがいない。小さな範囲でしか物事を見れず、人間としてのスケールも小さい。小人同士できゃわわしながら、「俺たちイケてるよね」と傷を舐め合う。
それがサラリーマン固定化に拍車をかけている。自分よりも格上の大人たちを積極的に仕事や遊びに誘うなど、アプローチをかける子は次のステージへ行けるのですが、たいていはコンフォートゾーンの小さな世界にとどまろうとします。
サラリーマンの末路
公務員に向いているのにサラリーマンを選んだ人の末路はこういう感じです。
- 上司や会社への強い不満をずっと抱える。
- 部下の扱いに戸惑い、影でバカにされる。
- 生活できないわけではないが、お金に困り続ける。
- 結婚5年後あたりから奥さんから嫌われ始める。
- 小学校高学年あたりから子に避けられ、将来的に馬鹿にされる。
実力で示して会社での立場を確保することができないので、上司や取引先にやりたくもない媚びをしてしまう。自分で選んだ行動なのに、それで不満が溜まる。
部下が失態を犯しても、何も言わないので「こちら側」だと軽く見られる。表では立ててくれるが、影では「こんな大人にはなりたくない」と馬鹿にされている。
家に帰れば「今日も疲れた」「あいつ(上司)は俺の実力をわかってない」と奥さんに共感を求めるよう愚痴をこぼす。奥さんは「小さい男」と愛想を尽かし、自分がした選択を後悔する。
子も母の態度を見て、父を馬鹿にするようになる。父の言葉は、子に通りにくくなり、反抗的になる。反抗を貫いた子は、親とは違った人生を送れるが、蛙の子は蛙。だいたい同じような人生を繰り返すことになる。
最後の壁である「世間体」を守るため、旅行に連れて行ったり、運動会や入学式、参観にも参加するし、塾だって行かせる。「パパ友」も作っちゃったり。両親共々、世間体のために無為な時間とお金を使い、疲弊する。根本的な改善をすることなく、なんとなく「良いお父さん・旦那さん」を外に見せるだけの、見せかけの人生。
こうなりますね。
男にとって、仕事は大事なもの。社会や会社にだけでなく、家族や大事な人、周囲の人の人生にまで影響を及ぼすもの。
別に給料が多い必要はない。でも、必要な分の狩りは外でちゃんと行い、父には活力や尊厳がなければならない。やる気も気力も、人への配慮もないのに、幼い承認欲求だけで民間企業を選ばない方がいい。
公務員になれば、少なくとも将来への不安はない。薄給で、つまらない仕事かもしれない。でも、それを家に持ち帰らず、自分の中で堪える。周りの人を大切にしていれば、十分大切な財産を築くことができる。
男にとって、仕事は大事なもの。10代20代前半は壮大なロマンを持ってもいいかもしれない。でも、20代そこそこの中盤になってきたら、出来ることを考えないといけない。地に足をつけて、自分に何ができるのかを考える必要がある。
だらだらとサラリーマンを続けるのではなく、自分の優位性だったり、やりたくないことを洗い出して、「できること」にフォーカスする。結果として最終的に公務員が残るなら、それもいい。
「いや、俺はどうしてもこれがやりたいんだ」
勿論、それもいい。だが、やり切る意思がなければ、自分の人生だけでなく、周りに迷惑がかかる。半端な気持ちでフワフワやるのは20代前半で終わらせる。「できること」にフォーカスすることが大事です。
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